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カナダ生活: Canada Groceries and Essentials Benefit (CGEB) (旧GST/HST Credit)

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

重要
2026年度 (2026年7月~) より、それまでの「GST/HST Credit」は、「Canada Groceries and Essentials Benefit (CGEB)」という新たな名前/制度に刷新されました。受給資格や支給額の計算方法等は、「GST/HST Credit」のシステムからの変更はありません。

Canada Groceries and Essentials Benefitとは

Canada Groceries and Essentials Benefit (CGEB) とは、低中所得者個人/世帯に対して支給される家計支援手当てです。
刷新前の「GST/HST Credit」という名前が示していたように、この制度は「普段の生活/買い物等において支払っているであろうGST/HSTを、低中所得者個人/世帯に対して相対的な金額で還付金として返還します」という体での実施、つまり家計支援手当てが直接現金で支給されるという形で提供されます。

受給資格

CGEB を受給するためには、支給月 (後述) のひと月前の時点とその月の開始の時点で、カナダ税制上の定義におけるカナダ居住者であることと、以下の条件のうちのいずれかを満たしている必要があります。
  • 19歳以上であること
  • 配偶者またはコモンパートナーがいること
  • 親であり、子供と同居していること

申請方法

CGEB の申請/受給のために必要なのは「タックスファイリングをする」ことだけです。申告する収入があるかないかに関わらず、また、リターンがあるかないかに関わらず、「タックスファイリングをする」ことで、CRA側は申請者に関する必要な情報を取得し受給資格の有無を判断し、該当月より支給を始めます。
(つまり多くの場合、特に既にカナダに数年以上住んでいてタックスファイリングもしっかりしている方の場合は、あえて申請をしていなくても、既に受給資格の精査と支給は行われています)

ある時期からあらたにカナダ居住者となったという場合は、タックスファイリングを待つことなく、下記のフォームを郵送により送ることで申請ができます。
  • 子供がいる場合: RC66 フォーム (Canada Child Benefits の申請書)
  • 子供がいない場合: RC151 フォーム (新規居住者のためのクレジットの申請書)

支給

支給額

CGEB の支給額は、前年の世帯所得額と子供の有無等を元に計算されます。

例えば現在のサイクル分 (2025年の所得額を元に計算され、2026年7月から2027年4月までの年サイクルで支給されている分) では:
所得が...
  • 単身の場合: $60,012 以下
  • 単身で子供が1人の場合: $68,912 以下
  • 単身で子供が2人の場合: $73,592 以下
  • ...
  • カップルで子供がいない場合: $64,232 以下
  • カップルで子供が1人の場合: $68,912 以下
  • カップルで子供が2人の場合: $73,592 以下
  • ...
といった具合に上限額が定義され、実際の所得額に応じて...
  • 個人の場合の最大支給額: $679/年
  • カップルの場合の最大支給額: $890/年
  • 19才未満の子供一人につき: $234/年
として、実際の支給額が決まります。
注意
2026年度からの制度の刷新に伴い、2026年度から2031年度までの5年間のみ、支給額の25%の増額が実施されています。2032年度以降は、通常の額(25%増額無しの額)が支給されることとなっています。

低中所得者個人/世帯を対象とした制度であるため、自分の対象のカテゴリーの設定所得額を上回る所得がある場合 (つまり「低所得者層」のカテゴリーに当てはまらないと判断される場合) は、CGEB の支給はなくなります (支給額が$0となる)。

支給日

CGEB の支給は、毎年7月5日、10月5日、(翌年) 1月5日、(翌年) 4月5日の年4回です。前年分のタックスファイリングを2月~4月に終え、申告された所得額を元に計算された支給額が、7月から翌年4月までの4回に分けられて支給されます。

支給方法

CRA の MyAccount を通じて direct deposit の口座をすでに指定している場合は直接振り込みで、そうでない場合はチェック(小切手)の郵送という形で支給されます。

まとめ

例えばある程度の収入がある状態でカナダへ移住し、タックスファイリングも毎年しっかり行っているといった場合は、(収入が高い為) 受給額が $0 となっているので、そもそもこの制度を知らないという方もいることでしょう。
逆に、例えば学生のステータスでカナダへ移住し、収入が無いためにタックスファイリングはしていなかった..といった場合は、受給資格があるにも関わらず制度を知らないがために手当てを受け取っていない..なんて事もあるかもしれません。
決して大きな額ではないかもしれませんが、制度をしっかりと理解し、資格のある場合はしっかりと受け取るようにしましょう。



カナダでの投資: Tax-Free First Home Savings Account

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

Tax-Free First Home Savings Accountとは

Tax-Free First Home Savings Account (TFFHSA または FHSA) とは、「初めての住居購入に向けての頭金を貯めることを支援する」という名目で、カナダ政府が2023年よりその制度の施行を始めた、課税の免除を柱とした貯蓄支援制度です。
18歳以上でカナダ在住であり、住居購入を経験していない (詳細は後述) 全ての人にアカウント開設の資格があり、一年間につき最大$8,000、生涯合計$40,000の拠出が可能で、そのアカウント内で運用している限り運用利益に対しての課税を免除し、さらに引き出しの際にも課税がないとする制度です。

  • (RRSPのように) アカウントへの拠出はそのまま該当年のタックスファイリングの際に所得からの控除として利用することができる
  • (TFSAやRRSP/RESPのように) 運用利益に対しての課税が免除される
  • 「初めての住居購入のために利用する」限りにおいては、(TFSAのように) 完全に非課税で引き出すことができる

つまり、RRSPとTFSAのそれぞれの利点を両方同時に持った、とても強力な非課税アカウントと言える制度です。

* FHSAの様な非課税アカウント(Registered Account)の基本と、RRSP/TFSAと比較した際の利点等を理解するためには、そもそもTFSAとRRSPに関する理解は必須と言えます。TFSAとRRSPの詳細に関しては、それぞれの解説ページを参照してください。

アカウント開設資格

アカウントを開設するための資格は3つ。
  • 18歳以上であること*
  • (税制上の定義において) カナダ居住者であること
  • アカウントを開設しようとするその年、または現時点から遡った4年の間、自らが購入した住居に住んでいたことがないこと。
    (つまり厳密には、過去に住居を購入したことがあっても、それが4年より前であり、さらに4年より前の時点からすでのそこには居住していないのであれば、アカウントを新規に開設することは可能であるということになります)
注意
BC州、NB州、NL州、NS州、NT準州、NU準州、YT準州では、各州個別の「legal age」の定義に関する法律により、FHSA口座を開設できる年齢は18歳ではなく19歳となっています。

拠出

一年間につき$8,000が拠出限度額として設定され、生涯合計$40,000の拠出が可能です。
アカウントを開設した後に、ある年において$8,000に満たない拠出しかしなかった場合は、(TFSAのシステムと同様に) 未使用の分が翌年に繰り越されます。ただし、繰り越しができるのは一年分の最大額に相当する$8,000のみ。つまり、複数年にわたって未使用の分がありそれが$8,000を上回る額だとしても、翌年分に繰り越しができるのは$8,000までです。そして生涯の拠出額合計が$40,000に至った時点で、それ以上の拠出はできなくなります (年間の拠出額合計を上回る拠出をしたり、生涯拠出額合計を超える拠出をすれば、ペナルティが発生することとなります)。
つまり、最速で5年間 ($8,000 x 5年 = $40,000) で生涯限度額に到達するような拠出をすることもできますし、あるいはもっとゆっくりと、例えば10年間かけて ($4,000 x 10年 = $40,000) でゆっくりと拠出をするというようなこともできるわけです。
また、TFSAと同様に、複数の金融機関においてFHSAアカウントを開設することができますが、年間及び生涯の拠出限度額は当然そのままです。TFSAと同様、自分自身で拠出額の記録等を管理する必要があります。

拠出をした分の額は、その年のタックスファイリングにおいて、「控除」として利用できます。つまり、RRSPへの拠出と同様に、その年の課税対象所得額そのものを減らすために、総所得額から引き算 (deduct) することのできる項目として利用できるということになります。
重要:
RRSPに既に入っている資金からFHSAへ資金を移動 (transfer) させるすることで、FHSAへの拠出とすることも可能です。
この場合、RRSPからの移動は「引き出し」とはみなされないため、非課税で行うことができます。
  • ただしこの場合でも、FHSAの拠出限度額はそのまま適用されます。RRSPからの移動であれ、通常の拠出であれ、年間$8,000、生涯$40,000の限度額ルールはそのままです。
  • また、この引き出しによってRRSP側の年間拠出額が影響をうけることはありません。引き出しを行ったことによって、翌年のRRSPの年間拠出限度額が増えるようなことはありません。

運用

TFSAやRRSP/RESP等と同じく、拠出先によって様々な投資商品を通して運用をすることができます。そして、運用によって得た利益は完全に非課税です。「FHSAという箱」の中で運用をしている限り、利子利益やキャピタルゲインをタックスファイリングの際に所得として申告する必要は一切ありません (そもそもT5フォーム等も発行されません)。

引き出し

考え方として、TFSAと違い、頻繁な「引き出し」という概念は意識するべきでないとも言えます。「FHSAからの引き出し」とは、まさに「住居購入」の時が来た時に行う一括引き出し。それがこの制度の目的として想定されているメインの「引き出し」のシナリオとなります。「住居購入」の機会が訪れた際に、その目的 (主に頭金) に利用される限りにおいて、運用益分も含めFHSAから非課税で引き出しを行うことができます。
重要:
初めての住居購入の為の資金調達のもう一つの手段として、RRSPから $60,000 を非課税で引き出す (2024年4月より、それまでの $35,000 から増額) ことのできる「Home Buyers’ Plan (HBP)」という制度が既に存在します。FHSAとHBPは、ともに同一の住居購入の為の資金として併用する (両方とも利用する) ことができます。つまり、住居購入の為の資金として、一人に付きFHSAから $40,000 (プラス運用益)とHBPから $60,000 で、合計 $100,000+ が利用できる (二人分ならば$200,000+) ということになります。

様々な理由により「住居購入」の機会が訪れない/訪れなかった場合に際しては、以下のような「救済」的ルールが用意されています。
  • 71歳に至るまでの間で、いつでも自由にFHSAからRRSP (またはRRIF) に資金を移動させることが可能。また、この移動は非課税で行うことができ、さらにRRSPの拠出限度額に影響を与えない/影響を受けない
    (つまり、移動させることによって当該年のRRSPの拠出限度額が減ることはないし、また、移動させようとする時点で、当該年のRRSPの拠出限度額に空きがあるかどうかも関係ない)。

    >> この場合は、結果的にその分を将来RRSPから引き出す際には所得となり課税対象となるため、FHSAの「非課税で引き出せる」という利点を失うという点が、ペナルティ的要素となります

  • FHSAアカウント開設から15年たった時点で、FHSA内の資金を使用する機会がなかった場合、アカウントを閉じる必要がある。その際は、上記のようにRRSP (またはRRIF) に資金を移動させるか、単純に課税対象の収入としてその時点で引き出す必要がある。

    >> 上の場合と同じく、RRSPに移した場合は未来の時点で、即時に引き出した場合は即時に、所得となり課税対象となるため、FHSAの「非課税で引き出せる」という利点を失うという点が、ペナルティ的要素となります



Tax-Free First Home Savings Accountを始めるべきか

これまで、住居購入の頭金を貯蓄するために利用できるRegistered Account (つまり、目的を指定されずに利用できる非課税貯蓄アカウント) はTFSAしかなかったわけですが、FHSAの登場により、住居購入資金貯蓄に特化したRegistered Account枠ができたわけです。将来カナダで住居購入を考えている方は、間違いなく利用すべき制度であると言えるでしょう。
例えば最初の5年間で毎年最大の$8,000を拠出し続け、その後投資利回り5%を毎年実践できたとするならば、15年後の残高は$75,600程。パートナーとの合計であれば$151,200。もう少し頑張って利回り7.3%が実現できれば、1人$100,500、二人で$201,000程。それだけの資金を生み出す可能性のあるアカウントを、TFSAとは別の枠として持つことができるということです。

また、そこまで先の未来はまだ見据えておらず、「将来家を買わないかもしれない...」という懸念がある方も多いことでしょう。ただ、上記の2点の「救済」的ルールは、結果的に家を買わなかったとしても (あるいはもっと極端に「そもそも家を買うつもりはない...」のだとしても)、結果的に少なくとも損をすることは無いようにデザインされたルールと言えます。

これらの点を鑑みても、少なくとも10年以上の単位で今後もカナダに住み続ける予定であるのであれば、Tax-Free First Home Savings Accountは、ぜひとも利用すべき制度であると言えるでしょう。


カナダ生活: Wiseのすすめ

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

カナダでの生活において、様々な理由から、日本の銀行口座からカナダの銀行口座へ送金をしたい、あるいはカナダの銀行口座から日本の銀行口座への送金をしたいという機会は多くあると思います。
少し前まではその方法も限られたもので、既存の金融機関を通して、高い送金手数料や実質相場よりも随分と割高の為替レートと付き合わなくてはいけないのは当たり前のことでした。ただ近年は、多くのオンラインサービスが次々と誕生し、国際送金サービスの状況は大きく変わっています。その中でも、管理人自身も頻繁に利用し、強くお勧めできるサービスの一つが「Wise (ワイズ)」です。


Wiseとは

2011年英ロンドンにて創業。翌年に最初のサービスを始めて以来、「安さ (送金手数料と為替レート)」と「速さ」を売りに利用者を増やし、2016年には日本での認可を受け日本円/日本の銀行口座との国際送金のサービスも開始。2021年2月には名前を「TransferWise (トランスファー・ワイズ)」から「Wise (ワイズ)」へと改め、さらに2024年3月には日本において第一種の資金移動業の認可も受け、そのサービスを拡大しています。

「Wise」の最大の特徴は、いわゆる「ピア・ツー・ピア (P2P)」でのマッチングによって換金/送金サービスを実現しているという点。これは簡単に言ってしまうと、例えば (銀行振込の方法によって) 日本からカナダに送金をする場合、Wiseの内部的には...

  1. (利用者が) 送金したい額を、日本の銀行口座からWiseの日本支社の口座に振込
  2. (Wiseが) 受取確認
  3. Wiseのカナダ支社が (利用者の) カナダの銀行口座に相当額を送金

...という手順が行われているということ。これにより、「実質的には内部では為替取引は行われていない」ということになり、したがって、サービスとして格安の手数料と良い為替レート、さらにほぼ即日での送金が実現できるという仕組みになっています。

送金手数料は、日本円からカナダドルだと「送金額の0.58%」、カナダドルから日本円だと「送金額の0.46%」(ともに2025年3月時点)。為替レートに関しては、ほぼリアルタイム値 (=ミッドマーケットレート)。これらは、同業各種サービスの中でも (特に為替レートに関しては) ほぼ敵無しのトップレベルのお得さとなっています。

アカウント作成

Wiseにて単純な「海外送金」サービスを利用するにあたっては、送金元の口座の所有者として、その口座がある金融機関がある国の住所情報とともに、アカウントを作成する必要があります。
つまり、
  • 「現在カナダに暮らしていて、カナダに住所があり、カナダの銀行に口座があり、そこから日本の銀行口座に送金したい」というニーズであれば、単純にそのカナダの銀行口座を所有するカナダ在住者として、アカウントを作ります。
  • 逆に、「日本からカナダに送金をしたい」というのが主なニーズなのであれば、日本の金融機関の口座の所有者として、日本の住所情報とともに、アカウントを作ります。
    (したがって、「現在カナダに暮らしているが、日本に住所があり、自分名義の銀行口座が日本にあり、自らオンライバンキングなどによって操作も可能」ということであれば問題はないのですが、そのような環境にない場合は、例えば日本在住の親族にアカウントを持ってもらうなどの方法が得策である場合もあります)
アカウント作成の細かな手順及び住所確認/承認の方法等は頻繁に変更/更新されている為、本項ではいわゆるチュートリアル的な解説は省きます。ただちなみに「カナダ在住でありながら、日本の住所と口座情報とともにアカウントを作る...」場合でも、住所確認/承認の手順において、マイナンバーが無くても (パスポート等の情報のみで) 問題なく正式にアカウントは作れる、という点は特筆しておきます。

送金方法/手順

日本からカナダへの送金に際しては、銀行振込またはデビットカードによる方法、カナダから日本への送金に際しては、Direct Debit、Online Bill Payment、デビット/クレジットカード、Bank Transferによる方法が利用可能です。

どの方法を選択するとしても、根本的な手順は...:
  1. アカウントにログインし、「送金する/Send Money」のページへ
  2. 送金金額と通貨を指定し、手数料等をすべて確認
  3. 送金先口座を指定/選択、及び送金目的情報を提供した後、「送信する/Submit」
  4. Wiseのローカル支社の口座情報を取得
  5. 送金元口座から、指定のWiseのローカル支社の口座へ入金
  6. 再びWiseのページ上にて、送金が完了した旨を報告
  7. 送金先口座への入金を確認
となります。

前述の通り、いわゆる「ピア・ツー・ピア (P2P)」によって換金/送金サービスが完了するという仕組みですので、Wiseのページ上で自動で全てが完結するのではなく、上記5番目の手順 (「自ら手動で送金先口座からWiseの口座へ入金をする」という手順) がどうしても必要になります。また同じ理由から、上記5番目の手順においては、Wiseとは別に、銀行による振込手数料等が個別に発生するという点も留意しておく必要があります。
ただ、手順は一見面倒なようにも感じますが、仕組みを理解した上で慣れてしまえば、特に気になるようなものではありません。また、銀行による振込手数料等に関しても、これはあくまで国内での手続き扱い (例えば、日本から銀行振込による送金で指定されるWiseの日本支社の口座は、PayPay銀行または三菱UFJ銀行の口座です) となるので、国際送金手数料等とは比べ物にならないほど微々たるものです。
6番目の手順を完了した後、Wise側は (Wiseの口座への) 入金を即時に確認します。(例えば銀行振込の方法であれば) これは早ければ数分、遅くても数時間という速さです。ただ、その後7番目の手順が完了するまでには、単純に時差等をふまえた銀行営業時間の関係もあり、(翌朝までの) 半日程度かかることもあります。

個人としてのアカウントで個人で行う換金/送金に関しては、一度につきそれぞれ日本円からの送金は 1,000,000円まで (2024年3月以降、第一種資金移動業認可に伴い段階的に制限額拡大中)、日本円での受け取りは 140,000,000円までという制限があります (2024年3月時点。送金方法によっては更に低い制限額)。



Wiseでは、サービスの拡大にともなっていわゆる単発の換金/送金のサービス以外にも、複数通貨の資金を保持できる「口座」(のようなもの) を開けられるサービスや、Wiseブランドのデビットカードといった機能を次々と追加しています。日本を始めその他の海外へ頻繁に渡航し、現地通貨での消費用に資金を持っておきたいといったニーズが有る場合には、サービスをしっかり吟味した上で、それらのサービスを利用するのもいいでしょう。

そういった別の機能を利用するか否かに関わらず、単純な海外送金サービス/日本-カナダ間の送金サービスにおいては、為替と手数料とスピードにおいて最安最速のツールの一つであるという状況はしばらくは続くことでしょう。

早速使ってみよう!という方は、ぜひ紹介リンクからどうぞ。


カナダ生活: MLMのはなし

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

MLMとは

「MLM (multi-level marketing / マルチレベル マーケティング)」、または「Network Marketing (ネットワーク マーケティング)」 という言葉を聞いたことがある方は多くいることでしょう。あるいは既に自ら関わっているという方もいるかもしれません。
日本語では「連鎖販売取引」または俗に「マルチ商法」と呼ばれ、「商品を購入して販売ネットワークに参加した会員が、さらに他者を勧誘し商品の購入を促し、ネットワークに加入させ、新たに会員となった人がさらに新しい会員を加入させ組織を拡大していく..」という方法によって販売/販路を拡大させるという「商法/マーケティング手法」です。
日本においては1970年代からすでに浸透していて、例えば「久しぶりに昔の友人から連絡が来て嬉しくて会ってみたら、マルチの勧誘だった..(泣」なんていう経験をしたことがある方も多くいるかもしれません。
完全に違法であると定義されているいわゆる「ネズミ講」または「ピラミッドスキーム」とは違い、「MLMの商法自体は違法ではない」という社会認識の元、近年では特に各種ソーシャルネットワークサービスの拡大と共に、現在においても様々な新興商品 (主に化粧品、健康食品、健康器具等、または保険/金融商品) を扱いながら現れては消え..を繰り返し、存在し続けています。

カナダで生活するにあたり、「日本にいる時にそんなハナシを聞いたことがあったな~/勧誘をしていた知人がいたな~...」ぐらいの認識しかしていない方は、良くも悪くも、その認識を改める必要があるかもしれません。というのも、実はこの商法の本場はアメリカ (またはカナダを含む北米) であり、その規模と (良い意味でも悪い意味でも) その浸透度/認知度は、日本よりもはるかに大きなものとなっています。新生活、あるいは慣れない言語環境において、自ら積極的に他者と関わろうと純粋に努力する過程において、図らずも「MLMへの勧誘」と触れ合ってしまう機会は、日本よりもはるかに多いと言えるでしょう。



弊サイトのスタンスとしては、合法である以上、「MLM」自体を完全に否定するものではありません。あくまでパーソナルファイナンスというコンテクストにおいての評価と、カナダ生活において「MLM」をどう認識するべきかという点を指南できればと思います。


MLMとの向き合い方

知人から直接勧誘を受けた、あるいは、友人が勧誘活動を行っていることを聞いた...等、何らかのきっかけで特定のMLM会社/商品のことを知りたいとなった際、様々な思案の結果、おそらく最終的な心象基準/判断基準となるのは、「1. 怪しくないのか?」、「2. 本当に儲かるのか?」、「3. どう勧誘を断ればよいか? / 自分に勧誘活動ができるのか?」という点に絞られるのではないでしょうか。

1. 怪しくないのか?

カナダにおいては、日本の公正取引委員会に相当する「Competition Bureau」が定める「Competition Act (=不正競争防止法): Section 55.1」において、「MLM」の定義と、違法である「ピラミッドセリング」との定義とが明記されていて、その違いが強調されています。ただし、実際のところその違いとは、(日本における「マルチ商法」と「ネズミ講」の線引きの議論とほぼ同様に)「商品の販売よりも、勧誘報酬が利益の主となる仕組みとなっているか否か」「実際の商品自体に相応の価値があるか否か」...といった、ある意味曖昧な線引きとなっている感は否めません。カナダ政府は、様々な媒体を通じて「MLMは合法、ピラミッドは違法」というアナウンスをしていますが、これは単純に「だからMLMならば安心」というメッセージを示しているのではなく、暗に「定義を外れた活動を行った瞬間に、MLMも即違法扱いとなります」というニュアンスの啓蒙をしていると言えます。つまりMLMは、カナダにおいても、その定義において限りなくクロに近いグレーの商法であるという点は認識しておく必要があります。

2. 本当に儲かるのか?

多くのリサーチ/統計 (例: AAPR study, 2018) によると、MLMで実際に$1でも収益を得られる人の割合は全体の25%程、他の25%程が何とか収支が均衡となる程度、残りの50%は収支でマイナスになっていると言われています。また、収益を得られている人の中でも、副業収入と呼べる程度の額を得られているのは、全体の1%以下であるとも言われています。また、MLMを始めた後、50%の人が1年以内に辞め、90%の人が5年以内に辞めているとする統計もあります。 MLMで収入を得る為に自らが費やす時間+労力と、得られる可能性のある収益とのバランスを考慮した場合、価値のある「投資行動」であるかという点に関しては、大きく疑問符を付けざるを得ません。
また、上記の「Competition Act」(同じく Section 55) において、「MLMに勧誘しようとする者は『典型的/一般的な参加者が実際にどれくらいの収入を得たか、またはどれくらいの収入を得ることが予想できるのか』を開示する必要がある」と明記されており、これを遂行しなければ違法となります。つまり「本当に儲かるのか」どうかは、客観的に示されたデータをもとに判断することができ、どうひいき目に見ても、ほとんどの場合は「典型的/一般的な参加者は...儲からない」という結論に至ることでしょう。

3. 勧誘活動

「友人/知人を勧誘するのに躊躇する...」、翻って「友人から勧誘を受けてショックだった...」など、MLMの勧誘に関しては、人間関係に変化が生じてしまうことが最大の懸念、または悪印象/不快感を生む原因となります。ただ、これは冷静に考えてみれば当たり前のことです。MLMのキモは「ネットワークを広げれば広げるほど、自分に入ってくる収益が増える」という点。つまり究極的に言えば、それまでの人間関係がどれだけ濃密 (あるいは希薄) であったとしても、「MLMに勧誘する」という行為は、「人間関係を現金化しようと試みている」という行為に他なりません。どんなにポジティブな言葉や数字で着飾ったとしても、あるいは勧誘者自身がその点を認識していないとしても、結果的に勧誘者が行っている行為は、その一点に集約されます。
  • その点を理解した上で開き直って勧誘してくる人
  • その点を理解せずに純粋に勧誘してくる人
  • その点を理解した上で冷静に勧誘をやりすごせる人
  • その点を理解せずに同情/希望の感情を持ってしまい勧誘をやりすごせない人
MLMの勧誘とは、まさにそのような四者四様の思いが交錯する人間交差点 (笑 なのです。
ここまで冷静に理解を深めておけば、自分がMLMにどう向き合うべきかという点は、必然的に見えてくるのではないでしょうか。

まとめ

繰り返しますが、弊サイトは「MLM」自体を完全に否定するものではありません。副業として追加収入を得るために日々努力をしている方や、末端で商品そのものを購入することのみで利用している方、あるいは、慣れないカナダでの生活で模索する内に結果的に関わりを持つようになった..なんていう方もいることでしょう。
日本では一切関わることがなく、また勧誘された経験もなく、カナダに来て初めて聞いた...という方は、とにかく自らしっかりとリサーチをして対処を出来るようにしましょう。
個々の経験等から、ある程度の理解を持っているという方は、「(良くも悪くも) 本場はこちらである」という点をしっかりと理解した上で、冷静な関わり方が出来るようにしましょう。
あくまで参考資料としてですが、Wikipedia上には "List of multi-level marketing companies (英語)" の記事が存在します。どのような会社/団体が「MLMの会社」として認識されているのかを理解するために、参考にしてください。


カナダでの仕事: 最低賃金

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

カナダの最低賃金

カナダで就労するにあたっては、各州/準州の労働法によって最低賃金 (minimum wage) が定められています。雇用主は、労働者の国籍やビザ/移民関連のステータスの如何に関わらず、この法を遵守する義務があります。

例えばワーキングホリデーでのアルバイト、あるいはパートタイムの仕事などに就いている方などは特に、最低賃金 (時給換算) 以上での雇用がしっかりと実行されているかどうかを、常に把握/確認するようにしましょう。
また、各州/準州の最低賃金には差があり、しかも頻繁に更新されます。自分が住む州における最低賃金に関わる情報/ニュースには積極的に気を留めるようにし、最新の情報を常に把握/確認するようにしましょう。
あるいは、これからカナダでの生活を始める方、または州をまたぐ転居を考えている方などは、これらの情報を、各地での雇用環境等を推し量る資料として参考にするのもよいでしょう。

カナダ各州の最低賃金

本ページ最新更新日における時点での、各州の最低賃金は以下の通りになります。
注意: 職種によっては、以下の基本最低賃金以外の額が適用されることあります。詳細については、各州政府発表の最新の情報を確認するようにしましょう。
 最新更新日最低賃金
(時給換算)
既に予定されている
今後の更新
アルバータ州2019年6月26日~$15.00
ブリティッシュ
コロンビア州
2026年6月1日~$18.25
マニトバ州2026年10月1日~$16.40
ニュー
ブランズウィック州
2026年4月1日~$15.90
ニューファンドランド・
ラブラドール州
2026年4月1日~$16.35
ノースウエスト準州2026年9月1日~$17.20
ノバスコシア州2026年10月1日~$17.00
ヌナブト準州2026年9月1日~$20.17
オンタリオ州2026年10月1日~$17.95
プリンスエドワード
アイランド州
2026年10月1日~$17.302027年4月1日より $17.60
ケベック州2026年5月1日~$16.60
サスカチュワン州2026年10月1日~$15.70
ユーコン準州2026年4月1日~$18.51
連邦管轄業種2026年4月1日~$18.15
(参考: https://minwage-salairemin.service.canada.ca/en/general.html
https://www.retailcouncil.org/resources/quick-facts/minimum-wage-by-province/ 他)

繰り返しますが、各州の最低賃金には差があり、しかも頻繁に更新されます。常に最新の正確な情報を得るためには、ニュース記事や個人ブログ(弊サイト含む 笑)などをソースにした情報ではなく、各州政府からの公式ソースを元とした情報を随時チェックするよう心掛けましょう。

更に繰り返しますが、特にワーキングホリデーでのアルバイトなどにおいては、英語でのコミュニケーション能力が十分でないことに付け込まれ、最低賃金以下での就労環境に就かされたまま声を上げられない..といった環境に陥ってしまう現実が稀にあることも事実です。それらの「違法行為」をしっかりと指摘し、自らの権利をしっかりと主張できるようにする為にも、最新の正確な情報を常に把握するよう心掛けましょう。


カナダ生活: Moka (旧MYLO) のすすめ

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

貯金がなかなかできない!という方に向けて、一つの方法として有効なのが「スペアチェンジ (余分なお釣り) 貯金」というアプローチ。「現金を使って買い物をした時、小銭としてもらったお釣りを、その量に関わらずそのまま貯金箱に貯める」という、ある意味では最も古風かつ単純な方法です。
これを少しアレンジさせたのが、いわゆる「500円玉貯金」的な、特定の硬貨だけを貯める方法。カナダにおいても、「ルーニー ($1硬貨) 貯金」や「トゥーニー ($2硬貨) 貯金」などとして実践することができます。ズッシリと満タンに貯まった缶を満を持して開ける快感。合計額カウントも簡単で、「$100以上も貯まっていた!」なんて事も可能でしょう。
...しかし時代は既にキャッシュレスの世の中。現金で買い物なんてほとんどしない、そもそも現金を持ち歩いてすらいない..ので、そんな方法はもう現実的でない、という方がほとんどなのではないでしょうか。

そんな場合でも、「スペアチェンジ貯金」とほぼ同じコンセプトで行える貯金方法が、ここ数年カナダにおいてもそのアプリ環境等が整い始めてきている「ラウンドアップ (お釣り繰り上げ) 貯金」という方法です。

ラウンドアップ貯金

デビットカードやクレジットカードで買い物をした際に出る $1 以下の端数額に対して、次の $1.00 に達するまでの端数分の金額を自動的に別の場所に移動させて、無意識のうちにコツコツと「いつの間にか貯まっている!」を実践する貯金方法。
例:
  • Tim Horton で $1.59 でコーヒーを買ってデビットカードで支払う
    >> $0.41 を自動的に別の場所に移動させて貯める
  • Canadian Tire で $50.19 でアウトドア用品を買ってクレジットカードで支払う
    >> $0.81 を自動的に別の場所に移動させて貯める
お隣アメリカにおいては、金融機関が提供するサービスとして、またはもっとお手軽なモバイルアプリ (Acorns、Digit 等) などを通して、この貯金方法を実践できる環境の普及がすでに進んでいます。

そして、カナダにおいてその先駆けとなっているのが、2017年よりサービスを開始しているアプリの「Moka (モカ)」です。管理人自身も既に2019年前半から利用していて、大いに活用し、安心してお薦めできるアプリです。
(2020年7月より、旧社名/サービス名の「MYLO」から、「Moka」へとリニューアルされました)


Moka は iOS 及び Android 環境で動作するアプリとして提供されています (アプリ自体は無料)。そのインターフェイス等は今後変更/更新されることも十分に考えられるため、本項ではいわゆるチュートリアル的にその登録方法や動作方法などを解説するというアプローチではなく、Moka 上でのラウンドアップ貯金の実践の基礎的なコンセプトを紹介するというアプローチをとっていきたいと思います。
利用/アカウント設定方法
  1. 公式サイト よりアプリをダウンロードし、アカウントを作成、ログインする。
    • 上記リンクからのアクセスで、$5 の紹介ボーナスあり
  2. 連携させる (ラウンドアップ貯金額の移動元となる) 銀行口座/デビットカード/クレジットカードを設定する。
  3. インベスター (投資) プロファイルを設定。
    • (ラウンドアップ貯金額の移動先となる) Moka 上のいわゆる貯金箱は、実は自動的に「投資アカウント」となります。
      >> ここがある意味 Moka のキモのサービスとなります (後述)。
    • ここでは、 Moka 側がその投資先を自動的に選ぶための参考として、自身の投資に関する知識や収入等に関する情報を提供します。
  4. ゴールを設定する (複数可) 。
    1. ゴール金額を設定
    2. ラウンドアップのルールを設定
      • 最も単純なラウンドアップ (次の $1.00 に達するまでの端数分の金額を移動させる) の他にも、「その端数の〇倍の額を移動させる」や、単純に「週に$〇の固定額を移動させる」等に設定することができます。
    3. ゴール達成時期を設定
    4. 投資先の種類を設定
      • TFSA や RRSP を利用することも可能です。
  5. 日々の買い物で貯金を開始!
    • 実際の金銭の移動は週に一回。端数額一週間分の合計額が一度にまとめられて移動します。
基本的にはこれだけの設定で、「ラウンドアップ貯金」の実践をすぐにでも始めることができます。
そして一番大事な利用料金:
  • 月額 $3 (指定した口座またはカードから自動引落とし) -- 2021年11月21日より$3.99
サービス開始当初から数年間は、月額 $1 の「MYLO Basic」と、月額 $3 の「MYLO Advantage」という2種類のサービス分けがあり、TFSA/RRSPの利用制限や引出しにかかる日数などで差をつけていましたが、現在は月額 $3 (2021年11月21日より$3.99) のサービスのみとして一本化されています。
大きな額でゴールを設定して、長期に渡る貯金を目指すもよし。数か月のスパンで数百ドルでゴールを設定して、ちょっとした買い物のための資金作りに利用するもよし。使い方は自由、コンセプトはあくまで「いつの間にか貯まっている!」の実践です。

ここまでの情報を参考に、さっそく Moka を利用してみよう! と思い立った方がいましたら、$5ボーナスがもらえるこの 紹介リンク から、是非ともどうぞ。

Moka の本質

ここより先では、Moka のビジネスケースにもう一歩踏み込んで、このサービスの本質により迫ってみましょう。
とは言いつつ...、それを最も端的に説明できるのが以下のビデオ。2018年、CEO自らがCBCの人気番組「Dragons' Den」(「¥マネーの虎」) に出演し、ドラゴン達からの追加出資を募った際のビデオです。

(※残念ながらCBCオフィシャルサイト上での当該ビデオへのリンクはすでに無効となっている模様)

Dragons' Den: Season 12 Episode 19
[https://www.cbc.ca/dragonsden/m_pitches/mylo]

ビデオ内の説明でも触れている通り、Moka (旧MYLO) のビジネスのキモは、まず第一に顧客に対して投資への資金投入を促すこと。第二に顧客の日々の消費行動のデータを集めること。そして第三に、それらのデータをもとに、提携する各種金融サービス利用へと誘導をすること。$3の Moka のサービスの利用料そのものでなく、第三の点である提携する各種金融サービス利用からのマージンに主眼を置いていることがわかります。

ここまで大っぴらにしてくれていれば、利用する方としては随分と安心できます。もちろん長期的な意味で、ビジネスモデルの思惑通りに、将来において保険やモーゲージ等の提携する各種金融サービスを利用する機会があってもよいでしょう。あるいはあくまで「ラウンドアップ貯金」を実現するだけのツールだと割り切って利用するのもよいでしょう。(管理人としては、少なくとも現時点では、完全に後者のみの利用と割り切って使用していますが 笑)

改めて、これらの情報を参考に、利用してみよう! と思い立った方がいましたら、$5ボーナスがもらえるこの 紹介リンク から、是非ともどうぞ。


カナダ生活: リワードプログラム

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

リワードプラグラムとは

リワードプログラム (またはロイヤリティプログラム) とは、簡単に言ってしまえば、日本でいうところのポイントカード/ポイントサービス。日本において、「Tポイント(現Vポイント)」や「楽天ポイント」などを買い物の度に貯めて、色々な特典を得るために利用していたという方も多くいることでしょう。また、日本への一時帰国の際などに、航空会社のマイレージプログラムでポイントを貯める (または使う) などして、積極的に活用している方も多くいると思います。
企業、あるいは提携する企業グループなどが運営するそれらリワードプログラムでは、自社のサービス/商品を独占的に選択してもらうためのツールとして (または顧客情報を得るためのツールとして)、消費者に向けてそのプログラムへのメンバー登録を促します。登録した消費者側は、それら企業のサービス/商品を利用/購入することによってポイントを貯め、引き換えに様々な特典を得ることができるという仕組みです。
カナダにおいても、多くの企業が独自の様々なリワードプログラムを運営しています。

リワードプラグラムのメリット / デメリット

日々の必須消費行動において繰り返し頻繁に利用/購入するサービスがあり、それらが (登録無料の) リワードプログラムを用意しているのであれば、出来る限り積極的に利用するべきでしょう。例えば近所のスーパーマーケットチェーンやガソリンスタンドチェーンなどが運営しているリワードプログラムがこれにあたります。
航空会社のマイレージプログラムなども、代表的なリワードプログラムの一つです。利用頻度はそこまで高くないとしても、一度に費やす金額は多いことでしょう。数年に一度しか日本に一時帰国しないといった場合でも、やはり航空会社のリワードプログラムは、登録しておく価値はあります。
それらの各種プログラムを利用するメリットは、「必須消費行動をとっているだけで、追加的に『実質的に金銭価値のある特典』を得ることができる」ということ。この点を常に留意しておくことで、賢く各種プログラム活用することができます。

無料である限り基本的にデメリットはありませんが、あえて言うならば個人情報漏洩等のリスクがあげられます。闇雲に、自ら把握できないほど多くのプログラムに片っ端から登録することはあまり好ましくありません。個々のプログラムのアカウントのパスワードを頻繁に変更するなどの最低限のリスク管理は行う必要があります。
また、潜在的かつ意識的なデメリット/リスクとして、「ポイントを貯めることを最優先に考えるあまり、本来必要のない消費行動をあえてとってしまうことがある」という点が挙げられます。「金銭価値のある特典」を得るために、それ以上の金銭消費をしてしまうような、本末転倒な利用をしないよう心掛けましょう。

カナダの主なリワードプログラム

旅行/フライトマイレージ系
Air Miles登録メンバー数ではカナダ1位。
Aeroplanエアカナダのマイレージプログラム。
スターアライアンス (全日空他) 提携。
WestJet RewardsカナダのLCC航空会社のプログラム。
スーパーマーケット/グロッサリー系
More Rewards主にカナダ西部の各種チェーン提携のプログラム。
PC OptimumSuperstore 等を所有する Loblaw グループのプログラム。
Triangle RewardsCanadian Tire のプログラム。
車/ガソリン系
Petro PointsPetro Canada ガソリンスタンドのプログラム。
Esso ExtraEsso ガソリンスタンドのプログラム。
CAAカナダ自動車協会のプログラム。
映画/エンタメ系
SCENECineplex チェーンのプログラム。
Scotiabank と提携。
その他
Rakuten各種オンラインリテーラーと提携。
日本の楽天ポイントとは別物。

上手な使い方

ポイント獲得
各リワードプログラムはそれぞれ数多くの企業と提携していて、各運営企業の直接の商品の購入やサービスの利用以外でも、そのポイントを得られるようになっていることがほとんどです。そしてややこしいことに、それら各提携企業側もまた、複数のリワードプログラムと提携していることがほとんどです。カナダ全国でチェーン展開しているほとんどのリテール系企業は、何らかの複数のリワードプログラムと提携していると言っても過言ではありません。
その様な状況では、例えば上記の全てのプログラムに個々に登録して、個々でポイントを集めるという利用法は決して賢明ではありません。自分がよく利用する店舗/サービスと、各プログラムとの提携状況、そして最終的に手に入れたい特典等を考察し、できる限り少ない数のプログラムに集中させて一括でポイントを集めるという方法が、より賢い使い方と言えるでしょう。

REDEEM
ガソリンスタンド系やエンターテインメント系、グロッサリー系のプログラムでは、単純にそのままガソリン代や映画チケット代、買い物の割引きなどの特典と引き換える (REDEEMする) ことができることが多く、大いに、そしてできる限り頻繁に、その「実質的に金銭価値のある特典」の恩恵を受けられるよう利用するべきでしょう。
では、その他の統合系のプログラムでは、貯めたポイントを使ってどのような特典を手に入れるのが賢明なのでしょう。
  • 旅行/フライト系のマイレージプログラムを利用して「いつかはタダで日本行きの航空券を手にしたい!」と日々ポイント獲得に努力している方も多いでしょう。仕事などで頻繁に飛行機を利用するような環境であれば、その特典獲得の実現も可能でしょう。しかし、そのような環境にない場合、なかなかそこまでのポイントを得ることは難しいでしょう。さらに、いざ十分なポイントが貯まったとしても、マイレージポイントによる航空券購入では多くの想定外の制限が適用されることが多く、思い描いていたポイント利用が効率的にできないことが多々あります。
  • ピンポイントで欲しいと思っていた日用品や電化製品などの商品が、特典景品の一つとしてがリストされている場合などは、それらの景品と引き換えるという選択もあるでしょう。ただ、それらの景品が実質的に換算ポイント消費に見合う価値なのかどうかは、ある程度考慮する必要があります。一般的に、リストされている各種商品は不人気品/型落ち品などが多く、同商品がAmazon等でより安い値段で買える..などといったケースも多くあります。

それらを鑑みた上で、貯めたポイント/持て余したポイントの REDEEM 先として、より「実質的に金銭価値のある特典」を得るための選択としてお薦めするのは、ズバリ、ギフトカード特典への引き換えです。しかも、日々の消費行動の中で必ず全額使うとわかっている類のギフトカード特典。
  • 例えば、既に利用しているオンラインサービスやサブスクリプションサービスがあり、それらの支払いに使えるギフトカードなどが景品としてリストされているならば、迷わず選択の一つとなるでしょう。(例: Netflix、Amazon、Apple..等)
  • また、頻度に関わらず近い将来に必ず利用するとわかっている店舗/サービスのギフトカードなどがあったならば、それらもよい選択でしょう。(例: Amazon、ガソリンスタンド..等)

達成感という意味では少し見劣りしてしまう感は否めませんが、「必須消費行動をとっているだけで、追加的に『実質的に金銭価値のある特典』を得る」という元来のメリットを鑑みた場合、より実用的な恩恵を受ける方法の一つが、この「ギフトカードへの引き換え」という選択であると言えます。

まとめ

リワードプログラム利用をさらに極めようとすると、例えば...
  • ポイント獲得のために提携のクレジットカードを取得し、必要以上にカードでの買い物が増えたり、
  • ある程度の金額以上の買い物をする際には、必ず何らかのポイントを貯めることができる商品を選択しないと気が済まなくなったり、
  • 「ポイント〇倍!」などのキャンペーンを見ると、利用せざるを得ない衝動に駆られたり...
と、何かと過剰になりがちとなることがあります。
そもそもリワードプログラムは、あくまで企業側のマーケティングツールのひとつであるという点を良く留意し、消費者側として踊らされるようなことなく、上手に付き合おうとする姿勢で臨むのが好ましいと言えます。繰り返しますが、「金銭価値のある特典」を得るために、それ以上の金銭消費をしてしまうようなことが無いように気を付けましょう。


カナダでの仕事: カナダ緊急対応手当: CERB (Canada Emergency Response Benefit)

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

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カナダ緊急対応手当
Canada Emergency Response Benefit (CERB) プログラムは
2020年9月26日をもって終了しました。

記録という意味で、ページ及び情報内容そのものはそのまま保存しておきます。
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新型コロナウィルスによる経済への影響への対応策の一つとして、連邦政府から発表された Canada Emergency Response Benefit (CERB) は、新型コロナウィルスによる直接的な影響により失職してしまった人や一時帰休となってしまった人々に対して、連邦政府から対象者に対して支援金を給付するプログラムです。
4週ごとに$2,000、最長で28週、合計最大$14,000の給付を受けることができます。

根本的な対象者の定義や支給額及びその仕組み等は明確となっているものの、緊急対策として実施されているプログラムであるが故に、CRAの公式サイト上でも、細かな文言やFAQ (よくある質問) 項目等々が頻繁に更新されている状況がみられます。したがって、本項ではいわゆるチュートリアル的にその申請方法などを解説するというアプローチではなく、このプログラムの全体像及びその目的等をしっかり掴むことによって、「自身が支援対象なのか?」、「どのような仕組みで、いくらの給付が受けられるのか?」..などの疑問点を自ら解決できるようにするアプローチをとっていきたいと思います。

はじめに

まずは、すべての関連情報に関しては、しっかりとCRAの公式のソースを確認するということを心掛けるようにしましょう。プログラムの概要及び申請へのガイダンスの起点ページとして、以下のページが存在します。
Apply for Canada Emergency Response Benefit (CERB) with CRA
https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/benefits/apply-for-cerb-with-cra.html
また、自身が受給資格があると確認できた上で、申請作業を行うにあたっては、CRA の My Account にログインしてオンライン上で行うことになります (電話による申請も可能)。そして、その My Account 上にて direct deposit の口座を既に登録済みか否かによって、受給のスピードが違います (direct deposit なら3日、チェック郵送なら10日)。
スムーズな申請作業と迅速な受給のためには、My Account の開設と direct deposit 口座の登録とを、しっかりと事前に済ましておくようにしましょう。( >> 生活: CRA / My Account)

受給資格

最も重要、かつ、少しわかりづらい「受給資格 (Eligibility)」に関してですが、まずはその原文が以下の通りとなります。
3月に条件の詳細が最初に発表されて以来、細かな文言が頻繁に更新されています。常に最新の情報を公式サイトにて確認するようお願いします。
(「最新更新日:2020年8月30日」となっている時点の該当ページ上の情報)

Who can apply
To be eligible, you must meet the following requirements:
  1. You did not apply for, nor receive, CERB or EI benefits from Service Canada for the same eligibility period
  2. You did not quit your job voluntarily
  3. You reside in Canada and are at least 15 years old
  4. You earned a minimum of $5,000 income in the last 12 months or in 2019 from one or more of the following sources:
    • employment income
    • self-employment income
    • provincial or federal benefits related to maternity or paternity leave
  5. One of the following:
    • Your work hours have been reduced because of COVID-19 (see last checkbox below for more details)
    • You have stopped or will stop working because of COVID 19
    • You are unable to work because of COVID-19, for example because you are taking care of someone
    • You have been paid EI regular or fishing benefits for at least one week of benefits since December 29, 2019 and have used up your entitlement to those benefits
  6. One of the following:
    • If you are applying for the first time: You have stopped or will stop working, or you are working reduced hours due to COVID-19, and you don't expect to earn over $1,000 in employment or self-employment income (before deductions) for at least 14 days in a row during the 4-week period.
    • If you are applying for a subsequent period: You are still not working, or you are working reduced hours due to COVID-19, and don't expect to earn over $1,000 in employment or self-employment income (before deductions), and you expect this to continue during the entire 4-week period.
最初の5項目に関しては、比較的簡単な現ステータスそのものに関する条件となります。
  1. 受給申請をする対象の期間において、CERB及びEI (Employment Insurance = 失業保険) を既に申請または既に受給していない
    >> つまりCERBとEIの重複受給/申請をしていない旨の確認
  2. 自主的に (自己都合により) に退職/失職したのではない
  3. カナダ国内に居住していて、15歳以上である
  4. 2019年の一年間または申請時以前の12ヵ月間において、以下の種類の所得の合計が$5,000以上である:
    • 雇用所得
    • 自営所得
    • 州または連邦政府給付の産休/育児休手当
  5. 以下のうちの一つ以上の条件を満たしている:
    • 新型コロナウィルスに関連する理由により、雇用時間が減少した
    • 新型コロナウィルスに関連する理由により、就労をすでに停止した、あるいは停止する予定である
    • 新型コロナウィルスに関連する理由により、就労ができない状態にある (例えば感染した人の看護を行っている)
    • 2019年12月29日以降少なくとも1週間の失業保険 (EI) の給付を受けていて、その受給権利を既に使い果たしている。
最後の6項目の条件が少しだけややこしい表現となっていますが、既にCRAが定義付けをしている、給付の「4-week period cycle (4週区切り期間)」を先に示してみると、随分とわかりやすくなるでしょう。
4週区切り期間期間
期間 12020年3月15日~2020年4月11日
期間 22020年4月12日~2020年5月9日
期間 32020年5月10日~2020年6月6日
期間 42020年6月7日~2020年7月4日
期間 52020年7月5日~2020年8月1日
期間 62020年8月2日~2020年8月29日
期間 72020年8月30日~2020年9月26日

申請をする際には、どの4週区切り期間に対しての受給を申請するかを、その都度指定することになります。
したがって、6の条件は...
  1. 以下のうちのいずれかの条件を満たしている:
    • 初めて申請する際は、
      申請する対象の (一つの) 4週区切り期間内において、新型コロナウィルスに関連する理由により、就労をすでに停止した/停止する予定、あるいは雇用時間が減少した状態であり、少なくとも連続14日間、$1,000 (税引き前) 以上の雇用所得または自営所得を得ることがないこと。
    • 一度目以降の申請の際は、
      申請する対象の (一つの) 4週区切り期間内において、新型コロナウィルスに関連する理由により失職/停職/雇用時間減少している状態に変更がなく、$1,000 (税引き前) 以上の雇用所得または自営所得を得ることがないこと。また、対象の4週区切り期間の最後までその状態が続いていること。
と読み取ることができます。
つまり、申請者は各4週区切り期間ごとに条件を満たしているかを考察し、それぞれ
  1. 初めて申請する際の条件を満たしている一つの4週区切り期間に対して、まず最初の申請を行う
  2. 一度目以降の申請の際の条件を満たしている限り、次の4週区切り期間に対し申請をする (最長7期間まで申請し続ける)
  3. 一度目以降の申請の際の条件を満たさなくなった時点で、次の4週区切り期間に対しての申請をやめる
という作業を行います。そしてその各4週区切り期間ごとに、$2,000毎の給付が行われる、という仕組みになっています。
注意: この仕組みにより、失職期間内でも給付対象とならない期間が発生することも当然のごとくありえます。

例1: 無所得状態の始まりが4週区切り期間の後半だった場合
例えば無所得状態の始まりが4月6日だった場合、「期間 1」に関しては、4月6日から4月11日が6日間だけであるため、初めて申請する際の条件の中の「少なくとも連続14日間..」の条件を満たさないため、給付対象とはなりません。条件を満たす「期間 2」に対して初めて申請をすることとなります。したがって4月6日から4月11日は結果的に援助のない期間ということになります。

例2: 新規の職や復職が決まった場合
新規の職や復職が決まり、対象の4週区切り期間内において$1,000以上の給与が発生する労働を開始した場合、その4週区切り期間は、一度目以降の申請の際の条件を満たさないこととなるため、給付対象とはなりません。例えば7月後半 (例えば7月27日 = 「期間 5」の最終日一週間前) に復職して、その週内で$1,000の給与に相当する労働を行った場合、(給与の〆日や給料日の日付に関わらず)「期間 5」は丸々給付対象の期間ではなくなります。同期間前半に失職期間があったとすると、結果的にその期間は援助のない期間ということになります。

例3: 最大の給付額 (最長の申請期間) に達した場合
上記の通り7つの4週区切り期間が定義され、プログラム自体は9月末まで続いています。しかし給付が受けられる最長期間は合計24週 (4週区切り期間 x 6) です。失職期間がそれ以上の場合は、当然援助のない期間が発生することになります。
*8月に発表された改定により、最大 (最長) の申請期間が7期間となりました。つまり条件を満たしている限り、定義された7つの4週区切り期間全てに対して申請することができることになるため、最大の給付額 (最長の申請期間) に達することによって条件を満たさなくなる..というケースは無くなりました。

給付額

上記の各4週区切り期間一つに対し、給付額が $2,000。最大 (最長) 7つの4週区切り期間 (=28週) で継続して受給することが可能で、結果的に最大 $14,000 の給付となります。

あくまで各期間ごとに丸々$2,000の給付が有りか無しか ($0) が評価されるため、それ以外の日割り/週割りなどでの給付は一切ありません。CRAのサイト上において、「$500 a week (週ごとに$500)」という文言が多々見られますが、これはあくまで「4週間で$2,000」を週換算にして表現しただけの文言です。繰り返しますが、給付額はあくまで、期間ごとに丸々$2,000か$0か、のみです。

申請手続き

CRAのMy Accountにログインし、CERBの項目から申請手続きを進めることができます。
CERB申請受付け期間中は、ログイン後のトップの「Overview」ページおいて、大々的に申請ページへの誘導がなされていますので、見逃すことはないでしょう。
注意: 申請しようとする期間内に復職または新規の職に就く可能性がある方 (またはそれに向けて努力している方) は、あえて急いで申請する必要はありません。 期間内に$1,000以上の収入が発生する就労を行った時点で受給資格を失うことになる訳ですから、不正受給を避ける為にも、期間後半になるまで待って、収入が無いことが確実になってから申請するのも一つの手です。

留意点

査定 / 監査
緊急支援策であるが故に、システムの立ち上げ及び申請受付と給付開始までが、かなりのスピード感をもって実行されました。したがって、必然的かつある意味では意図的に、不正チェックやレアケースへの対応等が後回しになっている感は否めません。申請時及び受給時において、受給条件を満たすことを証明する書類等の提出は一切必要ではありません。政府側は、基本的に「後で調べればいくらでもわかります。不正に受給した分は後でしっかり徴収します。そもそも虚偽の情報に基づく申請は犯罪ですよ。」という姿勢で今回のプログラムの運営を行っています。
間違っても、不正に給付を受けるよう企てるようなことはしないようにしましょう。

非課税ではない
CERBの給付金は、失った所得分を救済するという名目であるため、非課税ではありません。給付時にはそのまま$2,000が給付されますが、来年2021年に行う2020年分のタックスファイリング時には「所得」として申告する必要があります。受給者には合計給付金額などが記載されたT4Aフォームがおそらく来年初めに発行され、申告手続き自体は簡素なものになることが予想されますが、課税対象所得であるという点は、しっかりと記憶しておく必要があります。


カナダの銀行: e-Transfer

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

自分名義以外の各種金融機関の口座へ向けて振込み/支払い/送金をする際、例えば日本だと、相手方の銀行名、支店名、口座番号、口座名義等々の情報を一つ一つ入力するなど、比較的面倒な手続きとなるのが常です。カナダにおいては、それらの手続きを一気に簡素化する、「e-Transfer」というサービスが提供されています。その手軽さから、主に個人間での金銭のやり取り等に頻繁に使われる、この「e-Transfer」についてまとめてみましょう。

e-Transferとは

「e-Transfer」とは、カナダにおける Debit カードのネットワークシステムである「Interac」が提供するサービスのひとつで、個人アカウント (または法人アカウント) 間での金銭の受渡しを簡素に実現させるものです。利用者は、送金したい相手のメールアドレス (または携帯電話番号) のみを入力するだけで、振込み/支払い/送金手続きを完了することができます。
Interac ネットワークに参加している金融機関に口座を持っていることが、このサービスを利用できる条件ということになりますが、6大銀行はもちろんのこと、中小あわせて 180 を超える金融機関がこのネットワークに含まれるため、事実上「カナダの金融機関に口座を持っていれば利用できる」ということが言えるでしょう。
注意: 言い換えると、このサービスは、あくまでカナダ国内の金融機関間でのやり取りをターゲットにしたサービスであると言えます。例えば日本の金融機関とのやり取りのような用途は想定されていません。
* 厳密に言えば、Western Union を介しての国際送金は可能。ただし本項では扱いません。
Interac が提供する e-Transfer というシステムそのものに関しては、その利用は無料です。しかし、各金融機関において、そのサービスの利用に対して手数料等が掛かるか否かは、各金融機関の各口座によって異なります。「e-Transfer 送金手続き無制限完全無料!」と謳っている口座もあれば、「5回まで無料、それ以降は$1」などと設定している口座などもあります。自分の利用している口座での、e-Transfer サービスに関する詳細をしっかりと把握しておくようにしましょう。

e-Transfer の使い方

注意: e-Transfer では、「金銭がメールによって転送される」という言い方で説明されることが頻繁にありますが、正確ではありません。メール (または携帯電話テキスト) によって受取り側に送られるのは、あくまでその転送された金銭を受取るための手順案内情報 (リンク) です。
« 送り手側の手順 »
  1. オンラインバンキングにログイン。「『e-Transfer』による送金」を選ぶ。
  2. 以下の項目を指定する。
    • 送金に利用する (自分側の) 口座
    • 送り先相手の名前
    • 送る金額
    • 送り先相手のメールまたは携帯電話番号
    • Security Question (セキュリティクエスチョン) とその Answer (答え)
  3. 送金!
「Security Question とその Answer」とは、送り手と受取り手だけがわかる暗号のような用途で使われます。
例えば、喫茶店での割り勘分を e-Transfer によって相手に払う場合など、
• Security Question =「今日行った喫茶店の名前」
• Answer =「TimHorton」
などと指定するわけです。
Security Question の Answer そのものやヒントなどを直接相手に伝える必要がある場合などは、送金手続きとは関わらない個別の方法 (口頭、電話、個別のメール、個別のテキスト等々) にて行うことが賢明です。間違っても、Security Question 内に Answer を直接書くようなことはしないようにしましょう。

重要:
送り先側の設定 (特に送り先が個人ではなく会社/企業/団体等の場合) によっては、Security Questionの指定の必要がない場合があります。その場合は、送り先メールアドレス情報をもとに紐付けされて表示される、送り先の詳細情報が正しいことをしっかり確認しましょう。
« 受取り手側の手順 »
  1. メールまたは携帯電話テキストにて、送金がなされた旨の通知を受取る。
  2. 通知内のリンクを開き、受取り先として利用する (自分が口座を持つ) 金融機関を選択する。
  3. 表示される Security Question に対する Answer を正しく入力する。
  4. 受取り先となる口座を選択する。
  5. 受取り完了!
    * Answer は3回間違えるまで入力可能。3回以上間違えた場合は自動的に送金自体がキャンセルとなる。

e-Transfer の注意点

普段からキャッシュを多く持つ習慣がない人などにとっては、外出先での友人/知人間での簡単な貸し借りに対する支払いなど、e-Transfer が活躍する場面は多くあります。また、オンライン上で友人/知人とのやり取りに乗じて発生した支払いの機会などに際しても、e-Transferが最も手軽な方法となる場面は多くあることでしょう。
しかし、e-Transfer はその手軽さゆえに、常にあの手この手でフィッシング詐欺等のターゲットとされてしまっている現実があるという点を、しっかりと気に留めておく必要があります。「オンラインバンキングに不正ログインされてしまった結果、勝手に e-Transfer で送金がされていた」「メールアカウントに不正ログインされてしまった結果、勝手に受取り手続きがされていた」「覚えのない受取り通知メールのリンクを開いた結果、アカウント情報が盗まれた」..等々。
頻繁に利用するようになればなるほど、個々の手続きに対する確認や注意が散漫になりがちです。手続きを行う相手、金額、受取り作業の進捗等々、全ての送金/受取り案件において、しっかりと管理/確認を行うよう努めましょう。


カナダ生活: CRA / My Account

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

CRA とは

日本語では「カナダ国税庁」「カナダ歳入庁」等と訳され、カナダにおいて、タックスファイリング手続き諸々、TFSA (Tax-Free Savings Account) に関する管理諸々、RRSP (Registered Retirement Savings Plan) の拠出限度額裁定、CCB (Canada Child Benefit) の管理等々..、パーソナルファイナンスに関わる多く事項を管理/管轄しているのが、カナダ連邦政府の機関、

Canada Revenue Agency (カナダ・レベニュー・エージェンシー)
略称「CRA」(シー・アール・エー)
となります。
カナダで生活する上で、特にパーソナルファイナンスに関する事項においては、必ず何らかの形で直接あるいは間接的にお世話になっている機関です。当サイトにおいてカバーしている情報も、その多くはCRAがオフィシャルに発表/提示している情報を元としています。
そのウェブサイト上で網羅されている各種情報は、非常に整理されていて、また説明もわかりやすく、(あくまで主観ですが) アメリカの国税局 (IRS: Internal Revenue Service) や日本の国税局の姿勢と比べて、政府機関らしからぬ親しみやすさと信頼性が醸し出されています (笑
当サイトでカバーしきれていない情報、あるいは各種トピックにおいて正式な政府発表の文言や数字等を回覧したい場合などは、是非ともCRAのウェブサイトを訪れて、確認をしてください。

My Account

CRAのサイト上にて、「サービス」として提供されている機能として「My Account」というものがあります。これは、SIN (Social Insurance Number) を持つ個人各々がCRA上にアカウント (「My Account」という名のアカウント) を作成することができ、個人の情報の回覧、CRAからの通知のやり取り、あるいは支払い手続きなどをサイトを通して行えるという、いわゆるCRAのポータルサービスです。
各種発行物の受領など、郵便での手続きを好む方もいるかもしれませんが、少なくとも各種情報の迅速な回覧という一点においても、このサービスを利用しない手はありません。

「My Account」で利用できる機能 (一部)
  (個人用アカウントにおいては、正確には「My Account for Individuals」)
  • タックスリターンの進捗状況の回覧
  • 「Notice of Assessment」の回覧
  • RRSPの拠出限度額の回覧
  • TFSAの拠出限度額及び拠出履歴の回覧
  • 雇用主より発行されCRAにリポートされたT4フォーム上の数字の回覧
  • 各種金融機関より発行されCRAにリポートされたT5フォーム上の数字の回覧
  • 「Direct Deposit」用銀行口座の登録/管理
  • 住所/電話番号/家族構成情報等の登録/管理
  • Child Benefitsへの申し込み
  • 連邦/州政府からの各種支給金の詳細の回覧

アカウント作成/登録

「My Account」アカウントの作成手順の詳細を記したいところですが、細かな手順は比較的頻繁に変更/更新されるため、ここでは大まかな手続きに関する情報のみに留めておきます。 最新の情報、及び手続きの詳細については、CRAサイト上の「My Account」のメインページから参照することができます。
  • アカウントの作成の際には、「My Account」専用のユーザーIDとパスワードを新規に設定することもできますし、またはCRAが提携している各種金融機関 (Sign-In Partners) にすでにオンラインアカウントを持っている場合には、その既存のアカウントのユーザーIDとパスワードでログインできるように設定することもできます。

    Sign-In Partnersとして登録されている金融機関 (2026年1月時点)

  • アカウントの作成に必要な情報は、SIN、生年月日、住所などの一般的なものと、前年のタックスリターンに関する情報 (総所得額として申告された金額の詳細など)。
  • (Sign-In Partnersでのログインではない方法を選択した場合) オンライン上でアカウントを作成しただけの時点では、「Limited Service」(制限つきサービス) のアカウント扱いとなり、利用できるサービスも限られます。オンライン上でアカウントを作成する手順の中で、「security code」の郵送をリクエストする手順があり、数日後にそれを郵送にて受け取り、再度オンライン上でこの「security code」を入力することで、晴れて「Full Service」のアカウント扱いとなり、全てのサービスが利用できるようになります。



「Notice of Assessment」など、しっかりと手元に印刷物として保管することで管理しておきたいものもあるでしょう。しかし、やはり情報そのものの正確性、及びその回覧における利便性。あるいは、Direct Depositによるタックスリターンの受け取りなどの実質的な即効性という意味においても、やはりオンラインサービスに勝るものはありません。カナダでの生活が始まり、SINを取得した時点で、しっかりと「My Account」アカウントを即時に作成し、パーソナルファイナンスに関わる情報の把握と管理をしっかりと自ら行えるようにしましょう。


カナダ生活: 日本-カナダ間 現金の持ち込み

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

近年、オンラインを中心に様々な「海外送金」サービスが溢れ、利用する側としては選択肢が広がってとても良いことだと思います。ただ、例えばワーキングホリデー/留学/移住等により、ゼロから新しくカナダ生活を始める際、あるいは日本の親族からの贈与を受け取った際など、ある程度の大きな額をカナダに直接持ち込みたいといった機会もまだまだあることでしょう。
本項では、現金/小切手/手形/有価証券等を、カナダに持ち込む際のルールについてまとめてみましょう。

カナダに現金を持ち込む際のルール

根本的なルールはいたって簡単です。
  • カナダドル $10,000 以上に相当する現金または小切手/手形/有価証券等をカナダに持ち込もうとする場合は、入国の際に申告する必要がある。
重要:
『$10,000 以上の現金は持ち込めない』、『...持ち込むことが禁止されている』、『...税金が引かれる』といった文言を見かけることがありますが、どれも正確ではありません。 金額そのものに関して言えば、上限は一切ありませんし、どれだけ多くの額であっても一切違法ではありません。また、持ち込む金銭そのものに対して直接税金が徴収されるようなこともありません。
繰り返しますが、ルールはただひとつ。「$10,000 を超える現金または小切手/手形/有価証券等を持参してカナダ国境をまたぐ際には、申告しなければいけない」ただそれだけのことです。

選択1: 申告しなくてよい額に抑える

手続きが面倒だという理由でただ申告を避けたいのであれば、単純にカナダドル $10,000 以上に相当する分の持ち込みをしなければよい (カナダドル $10,000 以下に抑えればよい) だけです。
入国時に行うキオスク端末による質疑において (以前は、機内で記入する「Declaration Card」において) 、「カナダドル $10,000 以上の現金及び通貨相当物を持ち込もうとしていない」ことを宣誓し、そのまま申告無しで入国します。

重要:
バンクーバーやトロント等の主要空港到着便をはじめ、近年は空港でのキオスク端末 (BorderExpress) による入国手続きの効率化が進み、機内でのフォーム(E311)記入作業は順次廃止されています。今後さらに様々な効率化が図られ、よりスムーズな入国審査/手続きへと発展していくことが予想されます。ただし、現金持ち込みそのものに関するルールには変化はありません。どのような形式であれ「カナダドル $10,000 以上の現金及び通貨相当物を持ち込もうとしていますか?」という質疑は必ず存在します。その質問に対し「No」と答え、手順を進めます。
ただし注意しなければいけないのは、ここで「現金に相当するもの」として扱われるものには、日本円を含む外国の通貨、株式、債券、手形、小切手等々が全て含まれます。「日本円で持ち込むから関係ない..」、「小切手に変えてきたから問題ない..」といった例外はありません。全ての種類の通貨相当物 (monetary instruments) をカナダドルに換算して、それがカナダドル $10,000 以上となるのであれば、申告をする必要があります。

選択2: $10,000 以上を、申告せずに持ち込む

「申告をしなくても特に質問もされず入国できた..」といった事例は当然のごとくあります。「よほど挙動や言動が疑わしくない限り質問されることはない..」というのもある程度現実でしょう。しかし、これはれっきとした違法行為です。
申告をせずに $10,000 以上を持ち込もうとした事が発覚した場合、税関/入国を管理する Canada Border Services Agency (CBSA) は、持ち込もうとした全ての通貨相当物を押収する権限があります。また、通貨相当物が犯罪行為等に関わるものだと疑われた場合には、押収物は返還されません。あるいは犯罪行為等に関わるものでないと承認され返還される場合でも、最大 $5,000 の罰金が発生します。
せっかくのワーキングホリデーの門出、あるいは里帰り休暇の後、いきなり空港で捕まるようなリスクを冒す理由はありません。$10,000 以下なら申告無し、$10,000 以上なら申告。ただこれだけのルールを守るだけのことです。間違った選択をしないようにしましょう。

選択3: $10,000 以上を、申告し持ち込む

申告、申告..と、大掛かりな手続きの様に聞こえますが、申告はそれほど面倒な手続きじゃない!ということをここで強調しておきましょう。

日本出国時
  1. まず、カナダ入国を考える前に、日本出国における日本の税関のルールがあることを忘れてはいけません。日本出国のルールは「100万円相当額の現金等を持ち出す場合は、申告する必要がある」ということ。 >> 日本国税関: 出国時の税関手続
    つまりここでは、カナダドル $10,000 相当ではなく、日本円100万円相当額が基準になります。日本円現金やカナダドル現金、さらにその他の通貨相当物を含めた全ての合計を日本円換算し、それが日本円100万円を超えるのであれば、日本国税関に対して申告する必要があります。
  2. 成田でも羽田でも関空でも、国際線発着のある空港には必ずセキュリティゲートの後に税関のカウンターがあります。申告を行う場合はこのカウンターに立ち寄り、「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を記入し提出します。申告書は、住所・氏名やパスポート情報、そして通貨相当物の構成と合計額を記入し署名をするだけの簡単なもので、1分もあれば手続きは完了します。
カナダ入国時
  1. 入国時に行うキオスク端末による質疑において、「カナダドル $10,000 以上の現金及び通貨相当物を持ち込もうとしている」ことを宣誓します。

    重要:
    上記のケース同様、入国審査/手続きは今後より効率化が進むことでしょう。ただし、現金持ち込みそのものに関するルールには変化はありません。どのような形式であれ「カナダドル $10,000 以上の現金及び通貨相当物を持ち込もうとしていますか?」という質疑は必ず存在します。その質問に対し「Yes」と答え、手順を進めます。
    注意:
    カナダ/アメリカ入国をスムーズにする NEXUS プログラムに加入し、NEXUS カード保持している場合、通常であれば NEXUS カード保持者専用の列からスムーズに入国することができます。ただし、$10,000 以上の現金及び通貨相当物の持ち込みの申告手続きをする場合は、NEXUS カード保持者であっても、通常の入国手続き列に並び申告手続きを行う必要があります。これは、NEXUS および CBSA のサイトに厳格に明記されています。
  2. カナダでの入国審査において「キオスク端末からのアウトプット用紙」(または「Declaration Card」) の内容を確認した審査官は、到着ゲートへと出る前にある、「Cross-Border Currency or Monetary Instruments Report」を記入/提出するカウンター/部署に寄るように指示を出します。
  3. 担当のカウンター/部署に於いて、「Cross-Border Currency or Monetary Instruments Report」を記入/提出します。このレポートも同様に、住所・氏名や渡航便情報、そして通貨相当物の構成と合計額等を記入し署名をするだけのもので、3分もあれば手続きは完了します。
  4. レポート提出の控えとともに Declaration Card またはキオスク端末からのアウトプット用紙も提出し、入国となります。
これだけの手続きで、$10,000 以上の通貨相当物を適切に正規の方法でカナダに持ち込むことができます。一度経験してしまえば、それまで $10,000 以内に抑えようとしていた過去の努力が馬鹿らしく思えるほど、簡単な手続きです。

まとめ

なぜ申告する必要があるのか
入国管理/税関側の目的は、二国間での通貨の移動が、犯罪やテロに関わるマネーロンダリングに利用されていないかをチェックすること (または、チェックすることができるように記録に残しておくこと)、ほぼその一点であるといって過言ではありません。したがって、その一点においてやましい事がないのであれば、どれだけの大金であれ臆することなく正規の申告手続きを踏めば良いだけのことです。
逆に言うと、例えば日本側での税関手続きを怠って、カナダ側だけで申告を行ってしまった場合 (あるいはその逆) などは、マネーロンダリングのチェックという視点においては非常に怪しい状態となってしまいます。二国間においてしっかりと正規の申告を行うよう心がけましょう。(ただし為替の状況と金額によっては、申告が必要な額を超えるのは片側のみだけになるという場合もあることでしょう。 例: 日本円100万円 = カナダドル$9,500となるような場合)

パーソナルファイナンス視点からの注意点
例えば日本の親族からの贈与で一千万円相当の現金を受け取りカナダに持ち込むとしましょう。正規の申告を行いカナダに持ち込むこと自体には何の問題もありません。その現金をカナダドルに換金しカナダの銀行に入金し、その後例えば住宅購入の資金に利用したとしましょう。その場合、CRA側がその資金の出所に興味を示すことは容易に想像できます。
例えば...
  • 海外に $100,000 以上の資産がある場合、Foreign property のひとつとして申告してある必要があるが、タックスファイリング時に正しく申告してあるか..
といったチェックを元に、辻褄が合わなければタックスファイリング時にAuditが入ることも考えられます。
マネーロンダリングの場合と同じく、特にやましい点がないのであれば何も臆することはありません。ただし念のため、例えば日本の銀行からその現金を引き出した際の明細書や、あるいはその資金の日本での履歴を参照できる書類等、何らかの関連書類を手元に控えておき、準備しておくよう心がけましょう。


カナダ生活: ズバリ! お金の貯め方: PFI式貯蓄術

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

「貯金をしたいけど浪費癖が...」
「家計簿でしっかり管理したいけど続かない...」
「ネット上にはいろいろな情報があるけど、どれも自分には合わない...」
「そもそもカナダでは、日本とは勝手が違ってよくわからない...」

などなど..、様々な理由から、しっかりとした貯蓄管理ができていない方々も多いと思います。
貯金のイロハとして、
  • 「貯金の目的/ゴールをハッキリさせよう!」
  • 「自動引き落としで、自動的に貯めよう!」
  • 「月々の支出をしっかり把握しよう!」
などの、基本的な意識論+方法論は溢れていますが、いまいちしっかりと実行できていない、あるいは実行できているか実感できない、という場合が多いのではないでしょうか。

そこで本項目では、貯蓄そのものに特化した方法論ではなく、パーソナルファイナンス的視点、つまり自分の資産の全体像をしっかりと掴みつつ、資産の「流れ」を実感できる貯蓄管理方法を紹介したいと思います。
意識論からさらにもう一歩踏み込んで、より具体的な各種口座の管理/利用方法などを絡めることで、より多くの方の個々のケースに対応できる貯蓄管理方法のなるのではないかと思います。

6ステップで出来る家計術。サイトのURLにちなんで、名付けて「PFI式貯蓄術」。
それでは早速始めてみましょう。

ステップ1: 「生活費」の割り出し


資産管理において、「収支を把握する」というステップは、どうしても避けては通れない基本中の基本の最初のステップとなります。ここでは特に支出に絞って、「ひと月」という単位で、必ず出て行く支出の大まかな金額を割り出してみましょう。
  • 多くの場合、最大の支出は家賃/家のローンではないでしょうか。
  • 続いて固定費として挙がるのは、光熱費 (電気代/ガス代) や通信費 (ネット/携帯電話) を含むいわゆるUtility fees。
  • 各種サブスクリプションサービスを複数利用している場合もあるでしょう。全てを合わせて月々の合計額がいくらになっているのか、しっかりと把握しましょう。
  • 車を所有している場合は、車のローンや保険料も固定の支出となることでしょう。また、通勤で利用している場合などは、ひと月分のガソリン代なども固定支出としてある程度算出できるでしょう。
  • 食費も、固定額ではないとしてももちろん支出項目のひとつです。もちろん毎週/毎月しっかりと制限額を設定している (=固定額として管理している) のであれば、それに越したことはありません。
  • 習い事や交通費など、ひと月の間に必ず発生する支出があるのならば、それらもここでカウントしてしまいましょう。
  • さらに外食費等の交際費や、食費以外の生活用品費なども、$50単位程である程度の枠を設定してカウントしてしまいましょう。
  • 項目によっては、「ひと月」という単位で管理できないものもあるでしょうが、そこはうまく掛け算や割り算をすることで、大雑把にでも「ひと月」単位での支出を出してみてください。
例: 
家賃$1,000
ガス/電気$50
携帯電話/ネット/サブスク$150
車: 保険$120
車: ガソリン$60
食費$650
ジム会費$60
交際費$200
生活用品$60
その他諸経費$150
合計$2,500

これら全ての合計額 (例: $2,500) を、「ひと月」の「生活費」と呼ぶこととしましょう。 この「生活費」の金額こそが、「ひと月」のサイクルの中で、あなたのChequing口座に最低限入っているべき金額となります。
注意: この「生活費」が、あなたのひと月の収入額より多いのであれば、当然のことながらあなたの月々の家計はマイナスとなり、破綻していることになります。貯蓄云々の前に、支出を抑える努力をする必要があります。

ステップ2: 4つの口座の開設/準備


以下の通りの4つの口座を準備します。
  1. Chequing口座
  2. Savings口座
  3. GIC口座
  4. Online Savings口座
1~3はカナダ6大銀行の一つにまとめて、4はTangerineなどの大手のオンライン口座で準備します。

ステップ3: 初期設定額の入金


そして、「生活費」の額 + 20%程の額 (例: $2,500 + ($2,500 の 20%) = $3,000) を、1~3のそれぞれの口座の残高となるように入金します。
  1. Chequing口座残高 - 例:$3,000
  2. Savings口座残高 - 例:$3,000
  3. 例:$3,000でGIC口座を開設*

これを、各口座の初期設定額及び保持目標額とします。
*3のGIC口座の必要性は賛否の分かれるところです。しかし、銀行に対する信用保持のための口座、ある程度の総合計残高額の保持、または緊急時の資金という意味において有効な口座となる場合がありますので、利率は二の次としても、所有する価値のあるものと考えます。
いきなりこの「生活費x3」の資金は用意できない場合もあるでしょう。その場合は、3のGICを省略、または2のSavings口座の額を減らすなどして調整します。その場合は、次のステップに進む前に、この「初期設定額x3」の状態を作ることが当面の目標となります。

ステップ4: 「余剰資金」のOnline Savings口座への入金


ここまでで設定した3つの口座を、
  1. Chequing口座 = 給与が振り込まれる口座、及び日々の生活費を捻出する口座
  2. Savings口座 = Chequing口座の残高を保持/補助するための口座
  3. GIC口座 = 信用保持のため、あるいは緊急時資金のための口座
として認識します。
したがって、それ以外の全ての資金は「余剰資金」として認識されるべき資金だと割り切り、その全てを4のOnline Savings口座へ移動させます。


この際、Online Savings口座は基本的に預け入れに特化した口座だと認識する必要があります。つまり、Online Savings口座からの生活費の捻出は絶対に無し。また緊急時以外で、1~3の口座へ資金を戻すことはないものだとする強い認識が必要です。

ステップ5: 収支サイクルとやりくり


4つの口座の役割を、収支サイクルを絡めて改めてまとめてみましょう。
  1. Chequing口座
    • 毎月/隔週で給与が振り込まれます。
    • 日々のすべての生活費の捻出はこの口座から行います。
    • ひと月の単位で、残高が、生活費分 (例: $3,000) と (ほぼ) $0の間で上下します。
    • この口座に必要なのはあくまで生活費分 (例: $3,000) です。生活費分を超える額が常駐する必要はありません。超過分は頻繁にSavings口座に移すようにします。
  2. Savings口座
    • Chequing口座の残高が$0を下回ることの無いよう、必要に応じて、ここからChequing口座に必要な分だけ移す/戻すようにします。
    • 生活費以外の一時的な支出が発生し、それがChequing口座でカバーできない場合も、一旦ここからChequing口座に必要な分だけ移し/戻し、捻出するようにします。
    • この口座に必要なのはあくまで生活費と同額分 (例: $3,000) です。生活費同額分を超える額が常駐する必要はありません。超過分は頻繁にOnline Savings口座に移すようにします。
  3. GIC口座
    • 信用保持/緊急時資金のための口座です。一切手を触れない状態にしておくことが理想です。
  4. Online Savings口座
    • 1~3の合計額=「生活費x3」(例: $9,000) 以外の資金はすべてここに集められます。
    • この口座は、預け入れ専用の口座として認識されるべきです。緊急時以外は、ここからの出金はできるだけ避けるようにします。
大まかな構成が見えてきたでしょうか。
目標はいたって簡単。給与支給時点で、Chequing口座とSavings口座にそれぞれ生活費額分 (=保持目標額) が存在するようにやりくりすることがあなたのゴールです。そして、それ以外の余剰分はすべてOnline Savings口座に移してしまうというわけです。


ステップ6: 実践とメンテナンス


上記の構成と方法で、数ヶ月ほどやりくりをしてみましょう。まずは、計算上の生活費と実際の生活費との間にどれぐらいの差があるのかが見えてくるはずです。必要に応じて、生活費 (1~3の口座の保持目標額) を見直してみましょう。また、生活費以外の支出がどれくらいの額どれだけの頻度で発生するのかも見えてくるはずです。
ある程度の流れが把握できたら、口座間の資金の移動を自動化してみるのもいいかもしれません。
例えば、
  • Savings口座の残高保持のために、毎給与から一定額が直接Savings口座に振り込まれるようにする。
  • 毎月の生活費を捻出した時点でも、Chequing口座に$○○程余裕があるとわかった場合は、その額を毎月自動的にSavings口座に移動するようにする。
  • Chequing口座の残高保持のためにSavings口座から資金を移す頻度が少なく、毎月$○○程Savings口座に資金が溜まっていくとわかった場合は、その額を毎月自動的にOnline Savings口座に移動するようにする。
  • Online Savings口座から資金を戻すことがほとんどないとわかった場合は、そこからのある程度の額をTFSA口座として管理するようにする。
などを行ってみましょう。



実際には、「ひと月」ごとでは管理できない生活費の項目が突然現れたりして、Savings口座からの不定期な補助を免れない場合なども出てくるでしょう。すべての口座でしっかりと保持目標額 (例: $3,000) を常に保持できているに越したことはありませんが、実際はなかなか難しいものです。しかし、「PFI式貯蓄術」のキモは、あくまで資産の「流れ」を実感するための手段であると理解してください。
この方法により、「生活費」のリミットを (強制的に) 意識し、収支のサイクルの中で、どれぐらいの額を貯蓄に回すことが出来るのか、ということを相対的に理解することができるようになります。
そしてもちろん、生活費をうまく回すことが出来ているのであれば、Online Savings口座にはどんどんと資金が溜まっていくことでしょう。

ぜひお試しあれ。