カナダの税金: タックス計算の基礎 2
タックス計算の概要 - 続き
①総所得額 - ②控除額 = ③課税対象所得額
③課税対象所得額 x ④所得税率 = ⑤税額
⑤税額 - ⑥Taxクレジット = ⑦確定税額
⑦確定税額 - ⑧支払い済み税額 = ⑨タックスリファンド or 追加徴収
①総所得額 (Total Income)
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前年中に発生した (非課税でない) すべての収入は、所得として申告される必要があります。以下にいくつか代表的/一般的な所得例を示します。
給与所得 - T4
給与所得者であれば、毎年大体2月中旬頃に、雇用主から「T4フォーム」という書類が発行されます (アメリカでの「W-2フォーム」に相当するもの)。これは前年一年分の給与所得総額、支払い済み所得税、その他保険料支払い額等がまとめられた書類で、タックスファイリングの際には必須の書類となります。多くの場合、このフォーム内「Box.14」に書かれている給与所得合計額が、総所得額の大半を占める項目となるでしょう。
利子収入 - T5
銀行やその他金融機関からの利子収入も、当然所得として扱われます。こちらも毎年2月頃に各金融機関から「T5フォーム」という書類が発行されます (アメリカでの「1099-INTフォーム」等に相当するもの)。このフォーム内「Box.13」に書かれている利子合計額も、総所得額の一部として申告しなければいけません。
注意:
各金融機関は、年間$50以下の利子分に関しては「T5フォーム」を発行する義務がありません。同じ銀行内でも、例えば「$50以上の年間利子合計のあったGICアカウントに対するT5フォームは届いたのに、利子合計が$50以下だったSavingアカウントのT5フォームが届かなかった..」といったことがあるのはこのためです。ただし申告者側としては、たとえ数セントだとしても、利子収入がある場合には、所得の一部として申告されなければいけません。T5が発行されなかったアカウントの分の利子収入は、自分自身で合計額を計算し、総所得額の一部として申告します。
また、TFSAアカウントからは当然T5は発行されません。各種TFSAアカウント上の利子収入は非課税ですので、所得の一部として申告する必要は一切ありません。これがまさにTFSAのメリット (= 総所得額を減らすための方法のひとつ) となるわけです。
キャピタルゲイン他投資収益 - T5/T3
株式や投資信託/ETF等の投資を行っていて、キャピタルゲインや配当金収入がある場合は、それらも所得の一部として申告されなければいけません。証券会社等各金融機関から発行されるT5あるいはその他のフォームを元に、総所得額の一部として申告される必要があります。
注意:
投資収益とは、確定売買利益 (realized gain) を得た場合にのみ収益としてカウントされます。各種投資アカウントを保持しているのみ、またはポートフォリオ内で含み益があるだけの状態は、当然収益および所得とはなりません。
また、ここでももちろんTFSAを通して投資を行っている場合は、投資収益もすべて非課税ですので、所得の一部として申告する必要は一切ありません。
Universal child care benefit (UCCB) - RC62
18歳以下の子供がいてUniversal child care benefit (UCCB) の支給を受けている場合は、所得として申告する必要があります (Canada child tax benefit (CCTB) は非課税ですが、Universal child care benefit (UCCB) は非課税ではありません)。毎年2月中旬に、前年の支給詳細が記された「RC62」というフォームがCRAより発行されます。このフォーム内「Box.10」に書かれている支給合計額も、総所得額の一部として申告しなければいけません。
Universal child care benefit (UCCB) は、2016年6月をもって Canada child benefit (CCB) と統合される形で廃止となりました。 Canada child benefit (CCB) は非課税であるため所得として申告する必要はありません。
しかし何らかの理由で2016年6月までに受け取った Universal child care benefit (UCCB) を後年の計算に含まなければいけない場合は、所得として申告する必要があります。
その他の収入
RRSP/RRIFの受給年齢に達しすでに受給を受けている場合には、T4RSP/T4RIFフォームが発行されていることでしょう。それ以外にも、不動産の賃貸収入、失業保険収入など、個々の環境により様々な所得ソースが存在することでしょう。前年一年間の収支をしっかり振り返り、申告漏れの無いよう心がけましょう。