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カナダ生活: リワードプログラム

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

リワードプラグラムとは

リワードプログラム (またはロイヤリティプログラム) とは、簡単に言ってしまえば、日本でいうところのポイントカード/ポイントサービス。日本において、「Tポイント」や「楽天ポイント」などを買い物の度に貯めて、色々な特典を得るために利用していたという方も多くいることでしょう。また、日本への一時帰国の際などに、航空会社のマイレージプログラムでポイントを貯める (または使う) などして、積極的に活用している方も多くいると思います。
企業、あるいは提携する企業グループなどが運営するそれらリワードプログラムでは、自社のサービス/商品を独占的に選択してもらうためのツールとして (または顧客情報を得るためのツールとして)、消費者に向けてそのプログラムへのメンバー登録を促します。登録した消費者側は、それら企業のサービス/商品を利用/購入することによってポイントを貯め、引き換えに様々な特典を得ることができるという仕組みです。
カナダにおいても、多くの企業が独自の様々なリワードプログラムを運営しています。

リワードプラグラムのメリット / デメリット

日々の必須消費行動において繰り返し頻繁に利用/購入するサービスがあり、それらが (登録無料の) リワードプログラムを用意しているのであれば、出来る限り積極的に利用するべきでしょう。例えば近所のスーパーマーケットチェーンやガソリンスタンドチェーンなどが運営しているリワードプログラムがこれにあたります。
航空会社のマイレージプログラムなども、代表的なリワードプログラムの一つです。利用頻度はそこまで高くないとしても、一度に費やす金額は多いことでしょう。数年に一度しか日本に一時帰国しないといった場合でも、やはり航空会社のリワードプログラムは、登録しておく価値はあります。
それらの各種プログラムを利用するメリットは、「必須消費行動をとっているだけで、追加的に『実質的に金銭価値のある特典』を得ることができる」ということ。この点を常に留意しておくことで、賢く各種プログラム活用することができます。

無料である限り基本的にデメリットはありませんが、あえて言うならば個人情報漏洩等のリスクがあげられます。闇雲に、自ら把握できないほど多くのプログラムに片っ端から登録することはあまり好ましくありません。個々のプログラムのアカウントのパスワードを頻繁に変更するなどの最低限のリスク管理は行う必要があります。
また、潜在的かつ意識的なデメリット/リスクとして、「ポイントを貯めることを最優先に考えるあまり、本来必要のない消費行動をあえてとってしまうことがある」という点が挙げられます。「金銭価値のある特典」を得るために、それ以上の金銭消費をしてしまうような、本末転倒な利用をしないよう心掛けましょう。

カナダの主なリワードプログラム

旅行/フライトマイレージ系
Air Miles登録メンバー数ではカナダ1位。
Aeroplanエアカナダのマイレージプログラム。
スターアライアンス (全日空他) 提携。
WestJet RewardsカナダのLCC航空会社のプログラム。
スーパーマーケット/グロッサリー系
More Rewards主にカナダ西部の各種チェーン提携のプログラム。
PC OptimumSuperstore 等を所有する Loblaw グループのプログラム。
Triangle RewardsCanadian Tire のプログラム。
車/ガソリン系
Petro PointsPetro Canada ガソリンスタンドのプログラム。
Esso ExtraEsso ガソリンスタンドのプログラム。
CAAカナダ自動車協会のプログラム。
映画/エンタメ系
SCENECineplex チェーンのプログラム。
Scotiabank と提携。
その他
Rakuten各種オンラインリテーラーと提携。
日本の楽天ポイントとは別物。

上手な使い方

ポイント獲得
各リワードプログラムはそれぞれ数多くの企業と提携していて、各運営企業の直接の商品の購入やサービスの利用以外でも、そのポイントを得られるようになっていることがほとんどです。そしてややこしいことに、それら各提携企業側もまた、複数のリワードプログラムと提携していることがほとんどです。カナダ全国でチェーン展開しているほとんどのリテール系企業は、何らかの複数のリワードプログラムと提携していると言っても過言ではありません。
その様な状況では、例えば上記の全てのプログラムに個々に登録して、個々でポイントを集めるという利用法は決して賢明ではありません。自分がよく利用する店舗/サービスと、各プログラムとの提携状況、そして最終的に手に入れたい特典等を考察し、できる限り少ない数のプログラムに集中させて一括でポイントを集めるという方法が、より賢い使い方と言えるでしょう。

REDEEM
ガソリンスタンド系やエンターテインメント系、グロッサリー系のプログラムでは、単純にそのままガソリン代や映画チケット代、買い物の割引きなどの特典と引き換える (REDEEMする) ことができることが多く、大いに、そしてできる限り頻繁に、その「実質的に金銭価値のある特典」の恩恵を受けられるよう利用するべきでしょう。
では、その他の統合系のプログラムでは、貯めたポイントを使ってどのような特典を手に入れるのが賢明なのでしょう。
  • 旅行/フライト系のマイレージプログラムを利用して「いつかはタダで日本行きの航空券を手にしたい!」と日々ポイント獲得に努力している方も多いでしょう。仕事などで頻繁に飛行機を利用するような環境であれば、その特典獲得の実現も可能でしょう。しかし、そのような環境にない場合、なかなかそこまでのポイントを得ることは難しいでしょう。さらに、いざ十分なポイントが貯まったとしても、マイレージポイントによる航空券購入では多くの想定外の制限が適用されることが多く、思い描いていたポイント利用が効率的にできないことが多々あります。
  • ピンポイントで欲しいと思っていた日用品や電化製品などの商品が、特典景品の一つとしてがリストされている場合などは、それらの景品と引き換えるという選択もあるでしょう。ただ、それらの景品が実質的に換算ポイント消費に見合う価値なのかどうかは、ある程度考慮する必要があります。一般的に、リストされている各種商品は不人気品/型落ち品などが多く、同商品がAmazon等でより安い値段で買える..などといったケースも多くあります。

それらを鑑みた上で、貯めたポイント/持て余したポイントの REDEEM 先として、より「実質的に金銭価値のある特典」を得るための選択としてお薦めするのは、ズバリ、ギフトカード特典への引き換えです。しかも、日々の消費行動の中で必ず全額使うとわかっている類のギフトカード特典。
  • 例えば、既に利用しているオンラインサービスやサブスクリプションサービスがあり、それらの支払いに使えるギフトカードなどが景品としてリストされているならば、迷わず選択の一つとなるでしょう。(例: Netflix、Amazon、Apple..等)
  • また、頻度に関わらず近い将来に必ず利用するとわかっている店舗/サービスのギフトカードなどがあったならば、それらもよい選択でしょう。(例: Amazon、ガソリンスタンド..等)

達成感という意味では少し見劣りしてしまう感は否めませんが、「必須消費行動をとっているだけで、追加的に『実質的に金銭価値のある特典』を得る」という元来のメリットを鑑みた場合、より実用的な恩恵を受ける方法の一つが、この「ギフトカードへの引き換え」という選択であると言えます。

まとめ

リワードプログラム利用をさらに極めようとすると、例えば...
  • ポイント獲得のために提携のクレジットカードを取得し、必要以上にカードでの買い物が増えたり、
  • ある程度の金額以上の買い物をする際には、必ず何らかのポイントを貯めることができる商品を選択しないと気が済まなくなったり、
  • 「ポイント〇倍!」などのキャンペーンを見ると、利用せざるを得ない衝動に駆られたり...
と、何かと過剰になりがちとなることがあります。
そもそもリワードプログラムは、あくまで企業側のマーケティングツールのひとつであるという点を良く留意し、消費者側として踊らされるようなことなく、上手に付き合おうとする姿勢で臨むのが好ましいと言えます。繰り返しますが、「金銭価値のある特典」を得るために、それ以上の金銭消費をしてしまうようなことが無いように気を付けましょう。