拠出限度額 | |||||
2009年 | $5,000 | 2015年* | $10,000 | 2021年 | $6,000 |
2010年 | $5,000 | 2016年 | $5,500 | 2022年 | $6,000 |
2011年 | $5,000 | 2017年 | $5,500 | 2023年 | $6,500 |
2012年 | $5,000 | 2018年 | $5,500 | 2024年 | $7,000 |
2013年 | $5,500 | 2019年 | $6,000 | 2025年 | $7,000 |
2014年 | $5,500 | 2020年 | $6,000 |
(年毎にインフレ率に応じて調整)
*2015年4月に提出された「Economic Action Plan 2015」により、 2015年の拠出限度額は、前年比ほぼ倍増の$10,000となりました。が、2016年は再度$5,500へと戻されることが決まり、以降も$5,500近辺からのインフレ調整がなされています。 |
パーソナルファイナンシングにおいて、税金及び節税を意識し、より戦略的に資産を管理する上で、この制度を利用しない手はありません。制度をしっかり理解し賢く資産運用をしましょう。
運用利益を非課税に
通常のSaving AccountやGICにつく利息、株や投資信託 (Mutual Fund) 運用による利益 (Capital Gain)、これらの利益は当然タックスファイリング時には全て収入として申告される必要があり、全て課税対象となります。しかしこれらの運用を「TFSA内で行う」ことによって、そこで得られた利益分を全て非課税とする (=申告しなくてよい収入扱いとする) ことができます。では「TFSA内で行う」とはどういうことなのでしょう。
「TFSA」の「SA」は「Savings Account」を指しますが、これは便宜上そう名付けられただけで、いわゆる銀行口座の種類としてのSaving Accountとは別のものと考える必要があります。
「TFSA」という、資金をプールできる箱があり、この箱には一年ごとに決められた額の資金を収める(=拠出する)ことができ、この箱の中にある資金をどのように使って運用してもよく、その運用によって得られた利益は非課税になる。この点をしっかり理解することが、TFSAをより良く理解するカギとなります。
つまりTFSAとしてプールされた資金を、各金融機関が商品として提供する Tax-Free GIC、Tax-Free Mutual Funds、(商品の一つとしての) Tax-Free Saving Account 等を利用して運用することができるということになります。また、証券会社等が提供する Tax-Free 投資口座内で、株式やETFで運用することも可能です。
基本ルール
- 年間拠出額 (contribution) 制限 -- 例えば2022年なら$6,000 -- を超えて拠出することはできない。
- 年間の拠出額に満たなかった分は、翌年以降に繰り越しされる。
例: 2024年 (限度額は$7,000) に$4,000だけを拠出したとする。使われなかった$3,000分は翌年に繰り越しされ、2025年 (限度額は$7,000) の拠出限度額が$7,000+$3,000で$10,000となる。- TFSAからの引き出し (withdrawal) はいつでも可能。引き出した分は翌年の拠出限度額に加算される。
例: 2024年 (限度額は$7,000) にいったん限度額いっぱいの$7,000まで拠出したが、同2024年内に$1,000引き出した。この場合2024年の拠出限度額は変わらず、翌年2025年 (限度額は$7,000) の拠出限度額が$7,000+$1,000で$8,000となる。
注意
- 年間拠出額の計算は自分で行わなければなりません。CRAは年毎の合計拠出額は記録していますが、拠出の度に合計額をチェックして自動的に制限を超えないよう通知するようなシステムは一切ありません。全て自己管理で拠出額等を管理記録する必要があります。
- 年間制限額を超えて拠出してしまった場合は、その金額と期間によってペナルティーが科されます。
- 繰り返しますが、TFSAから引き出しを行った場合でも、その年の拠出額はそのまま変わらず、翌年の拠出限度額に、引き出した分の額が加算されます。
- TFSAは、どんな場合においても個人名義で管理されます。配偶者間での共同TFSAアカウントや限度額の共有といったコンセプトは一切ありません。銀行口座そのものが共同名義のジョイントアカウントだったとしても、TFSAは個人名義で開設/管理される必要があります。
注意
BC州、NB州、NL州、NS州、NT準州、NU準州、YT準州では、各州個別の「legal age」の定義に関する法律により、TFSA口座を開設できる年齢が18歳ではなく19歳となっています。ただし、18歳時点から発生する拠出限度額のカウントそのものは変わりません。つまり、18歳の時点では口座を開設できないので18歳の年の分の拠出はできないですが、19歳となって口座を開設した時点で、18歳の年の分を含めた2年分の拠出限度額を持っているという扱いとなります。
TFSAの運用先
銀行をはじめとする金融機関は、TFSAの運用先となる各種商品/口座を扱っています。前述の通り、Tax-Free GIC や Tax-Free Mutual Fund、または (商品の一つとしての) Tax-Free Savings Account がそれにあたります。手始めに、Checking Accountで日々やりとりをしている馴染みの銀行が扱っているTax-Free商品/口座を吟味してみるのもいいかもしれません。TFSAの運用先は、一つの金融機関の一つの金融商品に限定する必要はありません。複数の金融機関にまたがってでも、一つの金融機関内の複数の商品でも、いくらでも利用することができます。ただし、一年の拠出限度額はあくまで一定。二つのTax-Free商品を利用したからといって、限度額が倍になるようなことはありません。それぞれの商品/口座にいくら拠出したか、しっかりと管理記録して、合計拠出額が制限額を超えないようにしなければいけません。
ちなみに、ひとつのTFSA運用先から別のTFSA運用先に直接資金を動かす場合、これは「引き出し」>>「拠出」という扱いにはなりません。前述した「「TFSA」という、資金をプールできる箱..」という考え方を踏襲してください。ここでは、資金は既に「TFSA」という箱に入っているわけですから、あくまでその中で運用先をやりくりしているだけで、ここで動かす資金が拠出元本分であろうが運用益分であろうが、拠出額制限には全く影響はありません。
すでに「TFSA」という箱に入っている資金を、TFSA外に引き出した場合にのみ「引き出し」と認識され、TFSA外にある資金を「TFSA」という箱に入れる場合にのみ「拠出」として認識され、それぞれ拠出合計額に影響を与えます。
特に希望が無い場合は、Tax-Free Mutual Fundの様に元本保証のない商品や、Tax-Free GICの様に一定期間引き出しが出来ない類 (non-redeemableの場合) の商品を考える前に、まずは手軽に始められる (商品の一つとしての) Tax-Free Savings Account口座を一つ開設してみることをお勧めします。そこでまずTFSAの仕組みや手順を実践的に理解しましょう。その手順をしっかりと踏んだ後に、積極的に他の投資商品を吟味してみるというのが良いでしょう。
重要
前述の通り、「..TFSA内で行う投資行為においては、そこで得られた利益分は全て非課税」というのが根本のルールですが、一点注意することがあります。それは、
「TFSA内とは言え、デイトレーディング (またはデイトレーディングとみなされる程度に極端に頻度の高い売買行為) を行った場合は、CRAにより『ビジネス行為』とみなされることがあり、その場合はキャピタルゲインに対し所得税の徴収が行われることがある」
という点。
「デイトレーディング」そのものの定義に関して議論の余地はあるものの、基準はあくまでCRA側の判断で、「(個別株式銘柄等を) 保持していた期間」「売買の頻度」「売買の量/金額」「売買行為に費やされた時間量」「長期保持/短期売却の意図」等のファクターを元に、監査の結果「ビジネス行為」とみなされた場合は、本来のTFSAの目的を逸脱した行為と判断され、所得税の徴収が行われる可能性があります。
近年、ウェブ/アプリ環境の利便性は益々上がり、株式やETF投資への参入や、それらの売買行為を行うことに関するハードルは益々低くなっています。伴って、自覚のないままに (CRAの定義によるところの) 「高頻度の売却行為を短期間において実行」してしまった結果、CRAからの監査が入ってしまった...ということも起こりえます。政府としてのTFSAの元来の目的は、個人の貯蓄を促すこと。この点をしっかりと理解した上で、「TFSAでデイトレはダメ」というルールを必ず守るようにしましょう。