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カナダ生活: Canada Groceries and Essentials Benefit (CGEB) (旧GST/HST Credit)

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

重要
2026年度 (2026年7月~) より、それまでの「GST/HST Credit」は、「Canada Groceries and Essentials Benefit (CGEB)」という新たな名前/制度に刷新されました。受給資格や支給額の計算方法等は、「GST/HST Credit」のシステムからの変更はありません。

Canada Groceries and Essentials Benefitとは

Canada Groceries and Essentials Benefit (CGEB) とは、低中所得者個人/世帯に対して支給される家計支援手当てです。
刷新前の「GST/HST Credit」という名前が示していたように、この制度は「普段の生活/買い物等において支払っているであろうGST/HSTを、低中所得者個人/世帯に対して相対的な金額で還付金として返還します」という体での実施、つまり家計支援手当てが直接現金で支給されるという形で提供されます。

受給資格

CGEB を受給するためには、支給月 (後述) のひと月前の時点とその月の開始の時点で、カナダ税制上の定義におけるカナダ居住者であることと、以下の条件のうちのいずれかを満たしている必要があります。
  • 19歳以上であること
  • 配偶者またはコモンパートナーがいること
  • 親であり、子供と同居していること

申請方法

CGEB の申請/受給のために必要なのは「タックスファイリングをする」ことだけです。申告する収入があるかないかに関わらず、また、リターンがあるかないかに関わらず、「タックスファイリングをする」ことで、CRA側は申請者に関する必要な情報を取得し受給資格の有無を判断し、該当月より支給を始めます。
(つまり多くの場合、特に既にカナダに数年以上住んでいてタックスファイリングもしっかりしている方の場合は、あえて申請をしていなくても、既に受給資格の精査と支給は行われています)

ある時期からあらたにカナダ居住者となったという場合は、タックスファイリングを待つことなく、下記のフォームを郵送により送ることで申請ができます。
  • 子供がいる場合: RC66 フォーム (Canada Child Benefits の申請書)
  • 子供がいない場合: RC151 フォーム (新規居住者のためのクレジットの申請書)

支給

支給額

CGEB の支給額は、前年の世帯所得額と子供の有無等を元に計算されます。

例えば現在のサイクル分 (2025年の所得額を元に計算され、2026年7月から2027年4月までの年サイクルで支給されている分) では:
所得が...
  • 単身の場合: $60,012 以下
  • 単身で子供が1人の場合: $68,912 以下
  • 単身で子供が2人の場合: $73,592 以下
  • ...
  • カップルで子供がいない場合: $64,232 以下
  • カップルで子供が1人の場合: $68,912 以下
  • カップルで子供が2人の場合: $73,592 以下
  • ...
といった具合に上限額が定義され、実際の所得額に応じて...
  • 個人の場合の最大支給額: $679/年
  • カップルの場合の最大支給額: $890/年
  • 19才未満の子供一人につき: $234/年
として、実際の支給額が決まります。
注意
2026年度からの制度の刷新に伴い、2026年度から2031年度までの5年間のみ、支給額の25%の増額が実施されています。2032年度以降は、通常の額(25%増額無しの額)が支給されることとなっています。

低中所得者個人/世帯を対象とした制度であるため、自分の対象のカテゴリーの設定所得額を上回る所得がある場合 (つまり「低所得者層」のカテゴリーに当てはまらないと判断される場合) は、CGEB の支給はなくなります (支給額が$0となる)。

支給日

CGEB の支給は、毎年7月5日、10月5日、(翌年) 1月5日、(翌年) 4月5日の年4回です。前年分のタックスファイリングを2月~4月に終え、申告された所得額を元に計算された支給額が、7月から翌年4月までの4回に分けられて支給されます。

支給方法

CRA の MyAccount を通じて direct deposit の口座をすでに指定している場合は直接振り込みで、そうでない場合はチェック(小切手)の郵送という形で支給されます。

まとめ

例えばある程度の収入がある状態でカナダへ移住し、タックスファイリングも毎年しっかり行っているといった場合は、(収入が高い為) 受給額が $0 となっているので、そもそもこの制度を知らないという方もいることでしょう。
逆に、例えば学生のステータスでカナダへ移住し、収入が無いためにタックスファイリングはしていなかった..といった場合は、受給資格があるにも関わらず制度を知らないがために手当てを受け取っていない..なんて事もあるかもしれません。
決して大きな額ではないかもしれませんが、制度をしっかりと理解し、資格のある場合はしっかりと受け取るようにしましょう。



カナダ生活: CRA / My Account

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

CRA とは

日本語では「カナダ国税庁」「カナダ歳入庁」等と訳され、カナダにおいて、タックスファイリング手続き諸々、TFSA (Tax-Free Savings Account) に関する管理諸々、RRSP (Registered Retirement Savings Plan) の拠出限度額裁定、CCB (Canada Child Benefit) の管理等々..、パーソナルファイナンスに関わる多く事項を管理/管轄しているのが、カナダ連邦政府の機関、

Canada Revenue Agency (カナダ・レベニュー・エージェンシー)
略称「CRA」(シー・アール・エー)
となります。
カナダで生活する上で、特にパーソナルファイナンスに関する事項においては、必ず何らかの形で直接あるいは間接的にお世話になっている機関です。当サイトにおいてカバーしている情報も、その多くはCRAがオフィシャルに発表/提示している情報を元としています。
そのウェブサイト上で網羅されている各種情報は、非常に整理されていて、また説明もわかりやすく、(あくまで主観ですが) アメリカの国税局 (IRS: Internal Revenue Service) や日本の国税局の姿勢と比べて、政府機関らしからぬ親しみやすさと信頼性が醸し出されています (笑
当サイトでカバーしきれていない情報、あるいは各種トピックにおいて正式な政府発表の文言や数字等を回覧したい場合などは、是非ともCRAのウェブサイトを訪れて、確認をしてください。

My Account

CRAのサイト上にて、「サービス」として提供されている機能として「My Account」というものがあります。これは、SIN (Social Insurance Number) を持つ個人各々がCRA上にアカウント (「My Account」という名のアカウント) を作成することができ、個人の情報の回覧、CRAからの通知のやり取り、あるいは支払い手続きなどをサイトを通して行えるという、いわゆるCRAのポータルサービスです。
各種発行物の受領など、郵便での手続きを好む方もいるかもしれませんが、少なくとも各種情報の迅速な回覧という一点においても、このサービスを利用しない手はありません。

「My Account」で利用できる機能 (一部)
  (個人用アカウントにおいては、正確には「My Account for Individuals」)
  • タックスリターンの進捗状況の回覧
  • 「Notice of Assessment」の回覧
  • RRSPの拠出限度額の回覧
  • TFSAの拠出限度額及び拠出履歴の回覧
  • 雇用主より発行されCRAにリポートされたT4フォーム上の数字の回覧
  • 各種金融機関より発行されCRAにリポートされたT5フォーム上の数字の回覧
  • 「Direct Deposit」用銀行口座の登録/管理
  • 住所/電話番号/家族構成情報等の登録/管理
  • Child Benefitsへの申し込み
  • 連邦/州政府からの各種支給金の詳細の回覧

アカウント作成/登録

「My Account」アカウントの作成手順の詳細を記したいところですが、細かな手順は比較的頻繁に変更/更新されるため、ここでは大まかな手続きに関する情報のみに留めておきます。 最新の情報、及び手続きの詳細については、CRAサイト上の「My Account」のメインページから参照することができます。
  • アカウントの作成の際には、「My Account」専用のユーザーIDとパスワードを新規に設定することもできますし、またはCRAが提携している各種金融機関 (Sign-In Partners) にすでにオンラインアカウントを持っている場合には、その既存のアカウントのユーザーIDとパスワードでログインできるように設定することもできます。

    Sign-In Partnersとして登録されている金融機関 (2026年1月時点)

  • アカウントの作成に必要な情報は、SIN、生年月日、住所などの一般的なものと、前年のタックスリターンに関する情報 (総所得額として申告された金額の詳細など)。
  • (Sign-In Partnersでのログインではない方法を選択した場合) オンライン上でアカウントを作成しただけの時点では、「Limited Service」(制限つきサービス) のアカウント扱いとなり、利用できるサービスも限られます。オンライン上でアカウントを作成する手順の中で、「security code」の郵送をリクエストする手順があり、数日後にそれを郵送にて受け取り、再度オンライン上でこの「security code」を入力することで、晴れて「Full Service」のアカウント扱いとなり、全てのサービスが利用できるようになります。



「Notice of Assessment」など、しっかりと手元に印刷物として保管することで管理しておきたいものもあるでしょう。しかし、やはり情報そのものの正確性、及びその回覧における利便性。あるいは、Direct Depositによるタックスリターンの受け取りなどの実質的な即効性という意味においても、やはりオンラインサービスに勝るものはありません。カナダでの生活が始まり、SINを取得した時点で、しっかりと「My Account」アカウントを即時に作成し、パーソナルファイナンスに関わる情報の把握と管理をしっかりと自ら行えるようにしましょう。


カナダでの子育て: 子供手当て: Canada Child Benefit (CCB)

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

カナダには、いわゆる「児童手当/子供手当て」に相当する、子育て資金支援制度があります。
2016年6月まで実施されていた
  • Universal Child Care Benefit (UCCB)
  • Canada Child Tax Benefit (CCTB)
  • (低所得世帯向け) National Child Benefit Supplement (NCBS)
に代わり、2016年7月からは、
  • Canada Child Benefit (CCB)
として一本化された制度となりました。

Canada Child Benefit (CCB)

Canada Child Benefit (CCB) では、18歳未満の子供を持つ家庭に対し、前年のタックスファイリング時の申告世帯収入に応じて、毎月(毎20日)決められた額が支給されます。
支給額 (2025年の所得額を元に計算される2026年7月~2027年6月分) は、
  • 6歳未満の子供一人につき、年間最大 $8,157 ($679.75/月)
  • 6歳から18歳未満の子供一人につき、年間最大 $6,883 ($573.58/月)
となり、世帯収入が年間$38,237以下の場合、上記の最大額が適用されます。
「支援が必要な家庭により多くの支援額を..」という名目設定であるため、世帯収入が多ければ多いほど支給額は少なくなります。支給額の計算方法は Canada.ca のサイト内にて公開されていて、目安としては、世帯収入$100,000で支給額はおおよそ最大額の40%程度となります。
前年のタックスファイリング時の申告世帯収入に応じて年間の支給額が決まり、ファイリングが終わった後の7月を年度の開始月として翌6月までの一年間、同額が支払われます。ファイリングした申告世帯収入が前年より多ければ、7月からの支給分より支給額が少なくなり、申告世帯収入が前年より少なければ、7月からの支給分より支給額が多くなるというサイクルになります。
CCBは非課税
以前の制度では、UCCBは収入扱いとなるため課税対象、CCTBは非課税、という扱いでしたが、一本化されたCCBは完全に非課税での支給となります。

受給資格

Canada Child Benefit を受給するには、以下のすべての条件を満たしている必要があります。
  • 該当する子供と住居を共にし、またその子供は18歳未満である
  • 該当する子供の生活の世話をしている/保護者である
  • (タックスファイリング時の定義において) カナダ居住者である
  • 自身もしくは配偶者が、カナダ市民もしくは永住権保持者 (permanent resident) である。もしくはパーミット所持者としてカナダに過去18ヶ月にわたって滞在し、19ヶ月目においてもパーミットが有効な状態である

申請方法

過去にUCCBやCCTBへの申請を既に済まし、それらの受給を既に受けている場合は、Canada Child Benefit に際し新たな申請手続き等を行う必要は一切ありません。2016年6月までと同じ受給方法で、UCCBやCCTBに代わって引き続きCCBの支給が行われます。

新たに子供が生まれた際、または永住権の取得などで、新たに上記の受給資格を満たす環境となった場合などに、新規の申請を行うことになります。
  • 新たに子供が生まれた場合は、SINの申請などの各種手続きに伴って、「Automated Benefits Application」という手続きに関する案内が提供されます。この案内にしたがって手続きを完了することで、CCBの申請を完了することができます。
  • 移住や永住権の取得などに伴う新規申請の場合は、CRAのwebサイト内、My Accountページを介して申請を行うか、手書きの申請書類「RC66」を郵送にて送ることによって、CCBの申請を完了することができます。
申請から実際の支給開始までには、少し時間がかかることもあるでしょう。しかしその場合でも、しっかりと受給資格がある月にまでさかのぼって全額支給されるので、あせることなく支給日(毎月20日-休日の場合は前平日)を待ちましょう。

一度支給が始まってからは、「毎年タックスファイリングを行う」ことと、それに伴い「受給資格や支給額に影響を与えうる個人情報を、迅速に申告/更新し続ける」ことが、継続受給の条件となります。例えば離婚による親権の変更、あるいは永住権の放棄や永久帰国など、受給資格を失いながら支給を受け続けている状況が発生した場合などでは、支給額の返還を求められる場合もあります。制度をしっかりと理解し、正しい理解の下に支給を受けるよう心がけましょう。
州からの追加手当て
州によっては、州独自の子供手当て制度を実施していて、独自の計算によって割り出された給付金が CCB の給付額に上乗せされて給付されている場合があります。多くの場合、別々に振り込みが行われるのではなく、単純に CCB と合算された額が「Canada Child Benefit - CANADA」としてまとめて給付されます。お住いの州で独自に実施されている子供手当て制度を調べてみましょう。
  • ブリティッシュコロンビア州: B.C. Early Childhood Tax Benefit (BCECTB)
    (2020年10月からは B.C. Child Opportunity Benefit (BCCOB))
  • オンタリオ州: Ontario Child Benefit (OCN)
    ..など

まとめ

新制度により、多くの場合、CCBの支給額はそれまでのUCCB/CCTBの支給額よりも多くなっていることでしょう。これまでちょっとした家計の足しになる程度の支給額だったのが、それなりに家計に影響を与える程度までに支給額が増えた場合もあるでしょう。制度が続く限り、最大18年間にわたって毎月、しかも非課税で支給されるCCBは、大変価値のあるものです。当然、「子育てに関する支出にしか使えない~」といった制限などは一切ありませんが、例えばRESPへの拠出分に使用するなど、できれば支援の本来の目的通り、子供の生活あるいは将来ための支出に使われるのが好ましいでしょう。


子供

  

カナダでの子育て: RESP: グラント

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

RESP への補助金 (グラント)

RESPの最大の魅力である、政府からの各種補助金 (Grant: グラント) についてまとめてみましょう。

グラントには、大きく分けて4つのカテゴリ/項目があります。
  • Canada Learning Bond (CLB)
  • Canada Education Savings Grant (CESG)
  • Additional Canada Education Savings Grant (A-CESG)
  • Provincial Saving Incentives
各々の給付額や給付条件等をまとめてみましょう。
Canada Learning Bond (CLB)

CLBは、低所得世帯を補助するためにカナダ政府から給付される補助金で、2004年から導入され、以下の3つの項目を含みます。
  • RESP新規口座開設時に、口座開設の費用補助という名目で、一時金 $25
  • RESP新規口座開設時に、お祝い金という名目で、一時金 $500
  • 子供 (受益者) が15才になる年まで、毎年$100
給付を受けるための条件は、
  • 子供が、2004年1月1日以降の生まれであること
  • 世帯収入が (年毎に更新される) 設定額以下であること
    (例: 2025-2026年なら、世帯の子供の数が1人から3人の間ならば、$57,375)
  • その子供の家族 (primary caregiver) が、Canada Child Benefit (CCB) を受け取っていること
となります。
この補助金は、拠出の有無に関わらず、RESPアカウントを開設することだけで受給することが出来ます。
Canada Education Savings Grant (CESG)

CESGは、拠出額$1に付き20セント、つまり拠出額の20%に相当する額を、年間$500及び生涯$7,200を限度額として、カナダ政府が補助する制度です。子供 (受益者) が17才になる年が終わるまでの間に拠出された額に対して、給付されます。
  • 年間$2,500以上の拠出をすることで、その20%で年間限度額の$500に達するという計算になります
  • 年間拠出額が$2,500に満たないことにより、限度額$500に満たなかった分の年間給付額は、翌年以降に繰り越しすることが出来ます。そして翌年以降に$2,500以上の拠出をすることにより、過去に繰り越された分からの給付金を受け取ることが出来ます (ただし、遡って受給できるのは一年に付き一年分のみ)
Additional Canada Education Savings Grant (A-CESG)

2005年から導入されたA-CESGは、CESGの恩恵を十分に受けられない低所得世帯を補助するための、追加補助金制度です。CESG同様、子供 (受益者) が17才になる年が終わるまでの間に拠出された額に対して、給付されます。
  • (CESG給付金の計算とは別に) 年間最初の$500までの拠出に対し、世帯収入に応じて10% (=最大$50) または20% (=最大$100) の追加補助金が給付されます
  • 切り分ける世帯所得額設定は毎年見直し/更新され、例えば2026年時点では、(前年の所得が) $57,375以下の世帯へは20%の給付、$57,375 ~ $114,750の所得世帯へは10%の給付となっています
  • CESGが年間限度額の$500まですでに給付されていたとしても、A-CESGは別枠として上乗せで給付されます。ただし、生涯給付限度額の$7,200の計算には含まれます。つまり、CESGとA-CESGを合わせた生涯給付限度額は$7,200になる、ということになります
Provincial Saving Incentives

上記のカナダ政府管理の各種補助金制度とは別に、州政府が独自に導入/実施している補助金制度があります。
  • Quebec education savings incentive (QESI)
    ケベック州政府が2007年より州内在住者に対し導入している補助金制度で、拠出額の10%に相当する額を、年間$250を限度額として給付します
  • Saskatchewan Advantage Grant for Education Savings (SAGES)
    サスカチュワン州政府が2013年より州内在住者に対し導入している補助金制度で、拠出額の10%に相当する額を、年間$250を限度額として給付します
  • BC Training and Education Savings Grant (BCTESG)
    ブリティッシュ・コロンビア州政府が2015年より州内在住者に対し導入している補助金制度で、2007年以降に生まれた子供に対し、一律で$1,200を一度だけ給付します

全ての制度を隅々まで理解するに越したことはありませんが、実質的にはRESP Promoter (各種金融機関) がほぼ全ての手続きを行ってくれますので、細かな計算等を自らが行う必要はありません。RESPの口座を開設する際に、RESP Promoterを介して、受給資格のある補助制度への申請手続きを同時に行うことになりますし、実際の給付も、通常直接RESP口座に自動的に振り込まれる形で実現されます。

それでも、RESP加入者/拠出者自身が最低限理解しておくべきなのは、拠出額に応じて給付額が大きく変わる類の制度、つまりCESGに関してです。どれだけの給付を得る資格があるのか、最大の給付を受けるためにどのような拠出形態が好ましいのか等々、制度を十分に理解し、長期の資金形成に活かされるべきでしょう。


カナダでの子育て: RESP: 拠出

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

RESP への拠出

長期運用が前提となるRESPにおいて、拠出の金額や頻度等をどのように計画/設定するのが適切なのか、順を追って考えてみましょう。

RESPへの拠出そのものに関する基本的なルールは、以下の2点のみです。
  • 一人の「beneficiary (受益者)」に対し、生涯拠出合計は$50,000
    (2006年までは$42,000)
  • 年毎の拠出金額制限は無し
    (2006年までは年間$4,000までとなっていましたが、2007年以降は無制限)

そしてさらに、拠出額を考える上で大切な、CESGグラントに関するルールが
  • 拠出額の20%の額が、CESGグラントとして年間$500を限度に給付される
    (つまり、年間$2,500以上拠出すれば、その20%の$500まで給付される)
  • 一人の「beneficiary (受益者)」に対する生涯のCESGグラント給付合計は、$7,200
となります。

大学資金として$50,000で足りるのか?という議論はひとまず後回しにして、以上のルールを元に、拠出の金額や頻度のパターンを考えてみましょう。

拠出の仕方

ここでは、子供が一人生まれたと同時にRESPを開設したとして、18才になるまでの丸々18年間 (=216ヶ月) をかけて$50,000を拠出することがゴールとなります。もちろんCESGグラントを最高額まで受け取ることが出来るのがベストですが、年毎の給付額制限がある限り、最大の$7,200を受け取る為には、最短でも15年間 ($7,200 ÷ $500) をかけなくてはなりません。運用益を考慮に入れた場合、CESGグラントの給付を優先するべきか、早期の拠出を優先するべきかというのは、単純に答えの出るものではありません。
例を挙げて考察してみましょう。
初期に一括拠出のケース
2007年のルール改正により、年毎の拠出金額制限はなくなりました。これはつまり、極端なハナシ、子供が生まれたと同時に$50,000を一気に入金することも可能であるということを意味します。子供が生まれたと同時に限度額いっぱいの$50,000を拠出し、あとは18年間運用益を見守るだけという形です。
この場合、例えば平均年率5%での運用が可能だったとして、18年後のRESP資産は、概算で $121,534 となります。

このケースのメリットは、長期運用の重大ファクターである「時間」を、最初から限度額いっぱいに対し適用できるという点です。逆にデメリットは、初年度の$500以外、以降のCESGグラントを一切受け取れないという点です。
分散拠出でグラントを最大限受け取るケース
$50,000を18年間で割り、毎年の拠出額合計を$2,777.78とします。毎年のCESGグラントの給付限度額の$500を受け取るためには、年間$2,500の拠出が必要となりますが、ここではしっかり満たしていることになります。したがって、毎年$2,777.78の拠出と合わせて$500の給付、これを同じく平均年率5%で運用した場合、18年経過した時点でのRESP資産は、概算で $94,802 となります。

このケースでは、多額の初期投資は無く、無理の無い分割入金が出来ること、そしてCESGグラントを最大給付額まで受け取れることがメリットとなります。そのかわりに、運用益を生み出す「時間」を犠牲にしていると言え、5%の運用年率を例に挙げた場合の上記の比較では、初期一括拠出のケースに比べて、最終額は少ないという結果になります。
後者のケースが比較的現実的な例なのに対し、前者はあくまで運用方法の違いを示すための極端な例であると捉えてください。現実的には、個々の事情、RESP開始時の子供の年齢や子供の数、景気の傾向など、様々なファクターを踏まえ、両者の中間のような戦略を、中期的に見直しをしながら運用を進めるのが一般的となるでしょう。

あえてガイドラインとして挙げるのであれば、CESGグラントの年間給付限度額である$500を最大限得るために、出来る限り年間$2,500以上の拠出を心がけるべきでしょう。年間$2,500とすると、月に$208.33、隔週ならば$96.15、週ごとならば$48程。自動引き落としでやりくりできる範囲で、予算に組み込んでしまうのも手でしょう。
ただし、これらは全て一人の子供 (受益者) に対する拠出の例です。子供が複数いるのであれば、そのまま生涯拠出合計目標額も「$50,000 x 子供の数」となるわけで、一人につき年間$2,500という目標額も、現実的でない場合もあるでしょう。 グラントを最大額までもらうことそのものが目標となってはいけません。あくまで、「将来の高等教育費用捻出の手助けとなる資金の形成」という基本理念を常に念頭において、無理の無い拠出を心がけるようにしましょう。


カナダでの子育て: RESP: 口座開設

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

RESPの口座開設時のポイントについてまとめてみましょう。

RESPプランの種類

RESPには3種類のプランがあり、受益者や拠出の形態を元に選ぶことが出来ます。
1. ファミリープラン (Family Paln)
いわゆる一般的な「親が自分の子供 (一人でも複数でも) に積み立てる」形態のRESPは、コレだと理解して問題ないでしょう。 複数の受益者を指定することが出来ますが、受益者は加入者の血縁関係者 (子、孫、兄弟姉妹、養子) でなくてはなりません (甥、姪、叔父、叔母、いとこ、または自分自身は、ここでは血縁関係者とはみなされません)。また、受益者は指名される時点で21歳未満である必要があります。
銀行や証券会社等の金融機関にその口座を開設し、加入者自身が拠出及び投資先 (金融機関が提供する各種投資商品) の選択等を管理します。

2. 個人 (非ファミリー) プラン (Individual (non-family) plan)
受益者を一人だけ指名することができ、それは血縁関係者である必要はありません。自分自身を指定することも可能です。
ファミリープランと同様に、銀行や証券会社等の金融機関にその口座を開設し、加入者自身が拠出及び投資先 (金融機関が提供する各種投資商品) の選択等を管理します。

3. グループプラン (Group plan)
受益者を一人だけ指名することができ、それは血縁関係者である必要はありません。 グループプランは、いわゆるグループプラン専門の非営利の財団や信託を通して、同世代の子供を受益者としている他の加入者のアカウントと共に、資金をプールする形で一括管理運営されます。一般的に、引き出し額やその頻度等に関して細かなルールが (運営機関毎に) 設定されていることが多く、契約時には特にその独自のルール等をよく理解しておく必要があります。
グループプランは、
  1. 投資先の選択等を業者に任せたい
  2. リスクの少ない投資で運用したい
  3. 初めに設定した拠出スケジュールを、長期に渡り不履行無しに実践できる
  4. 子供が将来高等教育機関に進むことがほぼ確実である
という4つの条件が揃っている場合に、有効な選択肢のひとつとなるでしょう。
* グループプランでは、運営機関毎に独自の細かなルールを設定しているのが一般的です。したがって、以降の拠出及び引き出しに関する説明からは省きます。詳しくは各自の運営機関にお問い合わせください。

金融機関の選択

RESPの運用は、RESP Promoterとして正式に政府の認可を得た各種金融機関が扱っている、各種投資商品を通して行うことになります。したがって、投資商品そのものの好みを元に、口座を開設する金融機関を選択することも出来るでしょう。また、日頃既に取引をしている銀行にRESP口座を開けば、拠出手続きやポートフォリオの管理なども比較的スムーズに行えるでしょう。拠出の頻度によっては、週ごとや月ごとに何らかの変更を行うような場合もあることを想定すると、それらの作業の手軽さを重視して金融機関を選択することも良いでしょう。
ちなみに、後述するグラントの申請や受給等は金融機関が代行して行うことになりますが、その点はどの金融機関を選んだとしても、受給形態や金額に変わりはありません。

口座開設時には、家族構成や子供の年齢等の情報を元に、担当者とよく相談して、プランや投資先、また拠出の頻度や金額などを設定するようにしましょう。


カナダでの子育て: Registered Education Savings Plan (RESP)

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

Registered Education Savings Plan (RESP)

RESP (Registered Education Savings Plan) について、基礎知識及びそのコンセプト、また長期的な運用戦略等についてまとめてみましょう。

RESPとは、大雑把に言うと、子供の将来の高等教育 (高校卒業以降の、主に大学) 費用貯蓄の為の、税制優遇措置付き資金形成制度ということになります。銀行をはじめとする各種金融機関にその口座を開設することが出来、拠出した資金を各種投資商品で非課税で運用することが出来ます。
制度的にはアメリカの529プランと似ていますが、カナダのRESP制度で最も特徴的なのは、拠出に対し政府からの各種補助金 (Grant: グラント) の給付が受けられるという点です。

RESPをはじめるべきか否か

RESPの場合は、「子供が生まれてから、大学入学の資金が必要になるまでのおよそ18年間」という長いスパンを念頭に置いた拠出/運用計画を考える必要があります。現在カナダ在住であったとしても、10年15年20年というスパンで、例えば将来日本に帰国する可能性があるのか否か、子供はカナダの高等教育機関に入るのか否か...等々、不確定な要素を考慮しなくてはいけない場合もあるでしょう。それらのファクターを踏まえ、まずは、そもそもRESPをはじめるべきなのかどうかという点から、考察してみましょう。
拠出資格
RESPの「beneficiary (受益者)」となる子供は、SINを保持するカナダ居住者でなくてはなりません。例えば、子供が18歳になる前のある時点で日本に永久帰国となった場合などは、それ以降「subscriber (寄付者)」である親はその子供に対し拠出をすることは出来なくなり、当然以降のグラントの給付もなくなります。ただし、その時点まで貯蓄された資金は、引き続き運用が可能で、当然高等教育資金としての将来の引き出しも可能です。

「高等教育機関」の定義
グラント及び運用益を含めた全てのRESP資金を使用できる対象として、CRAの定義では
  • qualifying educational programに入学/登録した生徒」または
  • 「16歳の時点で、許可されてspecified educational programに入学/登録した生徒」
となっており、それぞれ
  • qualifying educational program
    =「post-secondary schoolレベルを対象に運営されていて、3連続週以上の期間で、週に10時間以上の履修が義務付けられている教育プログラム」
  • specified educational program
    =「post-secondary schoolレベルを対象に運営されていて、3連続週以上の期間で、月に12時間以上の履修が義務付けられているプログラム」
と定義され、また「post-secondary educational institution」とは
  • カナダ国内の大学/大学院/カレッジまたは専門/専修学校
  • ESDC(= Employment and Social Development Canada = 雇用及び社会保障関連を管轄する政府機関) が認証する、カナダ国内の職業訓練目的の教育機関
  • カナダ国外で、3連続週以上の期間でフルタイムの学生としての履修コースを提供する、大学/大学院/カレッジに相当する高等教育機関
と定義されています。
簡単に言ってしまえば、カナダ国内の大学は当然のことながら、アメリカや日本の大学も、RESP資金の引き出し先として使用できるということになります。

引き出し目的制限
RESP資金の引き出しは、高等教育資金の為というのが原則であるので、それ以外の目的で引き出す場合には制限またはペナルティーなど不利な点があります。細かなルールは割愛しますが、最悪のシナリオで、グラントの返還及び運用益分に対する20%のペナルティーなどがあります。ただし拠出金分そのものは、いかなる場合でもペナルティの対象や課税対象とはならず守られます。

主に以上の3点を考慮した上で、大雑把に言って
  • 比較的間近 (5年以内) に、永久帰国などでカナダを離れることが確定している場合
  • 既に子供が高校卒業を間近(2-3年以内) に控えている場合
以外であれば、未来の不確定要素を考慮に入れたとしても、RESPを新たにはじめるメリットは十分にあるといえるでしょう。

子供一人に付き最大$7,200給付されるCESGグラント及びその他のグラントは、拠出をすることのみでその資格を得られるわけですから、これを逃す手はありません。 また、どんなに保守的な投資先を選んだとしても、「積み立て期間が長ければ長いほど資金形成が有利になる」という、長期運用の大原則に揺るぎはなく、出来るだけ早くRESPを始めるに越したことはありません。さらに、何らかの理由で子供への高等教育資金が必要となくなった場合でも、例えばRRSPへの移管など、ある程度の逃げ道の制度も整備されています。
それらのファクターを鑑みた結果、やはり子供が生まれたばかりならばすぐにでも、既に子供が大きい場合でも、やはりすぐにでも、RESPをはじめることをお勧めします。