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カナダでのクレジット: スコアの改善と維持

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットスコアの考察

自分のクレジットスコアをチェックした上で、まずそれが一般的なスコア指標の範囲において、どの辺りに位置するのかを確認しましょう。

EquifaxとTransUnionともに、スコアの範囲は300 (最低点) から900 (最高点) となっています。一般的に、650点がクレジット評価の分岐点とされ、カードやローンの申し込みで苦労する (審査に落ちる可能性がある) か否かは、650点を上回っているか否かが基準になると言われています。参照する資料により多少のばらつきはありますが、以下が一般的に言われる評価指標となります。

スコア評価
750点以上非常に良い
700~749点良い
650~699点まずまず
550~649点悪い
549点以下非常に悪い

自分のスコアがもし600点台もしくはそれ以下であるならば、積極的にスコアの改善に努めるべきです。また、スコアが700点台以上であるならば、そのスコアを維持するための努力を続けるべきである、ということになります。

スコアを左右する4つのカテゴリー

クレジットに関するほぼ全ての行動が、クレジットスコアの変動に影響を与えるファクターとなりえますが、その中でも特に気をつける/気にかけるべき項目が以下の4つとなります。
  1. 返済/支払い
    返済/支払いに関する行動およびその履歴は、クレジットスコアに最も影響を与えるファクターとして扱われます。すでに何度か触れているとおり、クレジットカードの支払いにおいては、「毎月必ず全額返済をする (「持ち越し」は絶対にしない)」というルールを確実に遂行し続けることが、確実にスコアに良い影響を与えるファクターとなります。ローン返済や携帯電話などの各種支払いにおいても、確実に返済を履行し続け、支払い遅延等を一切起こさないよう心がけることで、スコアへの悪影響を避けることができます。

  2. 限度額と借入額のバランス
    クレジットカードの利用限度額の範囲内で、実際に毎月どれだけの額を利用しているか (借金をしているか) という情報は、クレジットリスクを査定する立場においては非常に重要な項目となります。一般的に、実際の利用額 (借入額) は限度額の35%以下程度に抑えることが良いとされています。
    例えば利用限度額が$5,000の場合は、$1,750がその35%となります。ずいぶんと低い割合だと思われがちですが、例えば毎月限度額ギリギリまで借り入れている場合などは、査定する立場から見れば、それだけ「実資産でのやりくりに問題がある」または「万が一返済が滞った場合は、その借入額が大きい」と捉えることができ、結果的にスコアに悪影響を与えるファクターとなりえるというわけです。
    また、この項目は「毎月期日までに全額返済ができているか否か」は関係がありません。全額返済ができているとしても、限度額ギリギリまで借入をしているという事実そのもののみが、スコアに悪影響を与えるファクターとなりえるので、注意が必要です。

  3. クレジットの数と種類と継続期間
    借金の数と種類が複数にわたっていれば、単独単数の借金をしている場合に比べ、それだけ「借金返済能力が高い」とみなされ、スコアに良い影響を与えるファクターとなります。1枚より2枚のクレジットカードを保持している方が良い、クレジットカードだけでなく車や家のローンも抱えている方が良い、とされるのはこの為です。ただし、もちろんその全てにおいて返済が滞りなく遂行されていることが前提となります。
    借金の継続期間の長さも、スコアに良い影響を与えるファクターとなります。より長い期間借金を続け、より長い期間返済が滞りなく遂行できていれば、それだけ「借金返済能力が高い」という評価となるわけです。

  4. クレジットチェック/参照の頻度
    新たにクレジットカードを作成する際、あるいは新規のローンを申し込む際など、第三者があなたのその時点でのクレジット情報を評価しようと、クレジットビューローに対しクレジットレポートの回覧をリクエストします。この行動 (クレジットチェック) とその頻度はしっかりと記録され、スコアに影響を与えます。
    例えば短期間においてその頻度があまりに多い場合などは、「何らかの理由で早急に現金が必要な状況にある」または「借金の返済が自転車操業になっている可能性がある」とみなされ、結果的にクレジットリスクが高い環境にあると評価されることで、スコアに悪い影響を与えます。その様な評価を避けるために、例えば、必要以上に頻繁にクレジットカードの発行を申し込むことなどは避けられるべきです。

    注意:
    レポートの回覧リクエストにも種類があり、スコアに影響を与える類のクレジットチェックと、影響を与えない類のクレジットチェックとがあります。例えば自分のクレジットレポートを参照するために自分自身で回覧を申し込む場合などは、後者として扱われるため、スコアには一切影響を与えません。

まとめ

どちらのクレジットビューローにおいても、どのような計算でクレジットスコアが割り出され、どれだけの頻度でクレジットスコアが更新されるかは、明確には公開されていません。常に複数のファクターに左右されるがため、一朝一夕にスコアの変化は見られるのもではありませんが、上記の項目をしっかりと守って行動をしていれば、おのずと確実にクレジットスコアは上がっていきます。
ある程度の頻度で自分のスコアをチェックし続け、クレジットに関する自身の行動をしっかり管理し、結果的にしっかりと700点以上のスコアを常に維持できるように努力をしましょう。