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カナダ生活: Wiseのすすめ

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

カナダでの生活において、様々な理由から、日本の銀行口座からカナダの銀行口座へ送金をしたい、あるいはカナダの銀行口座から日本の銀行口座への送金をしたいという機会は多くあると思います。
少し前まではその方法も限られたもので、既存の金融機関を通して、高い送金手数料や実質相場よりも随分と割高の為替レートと付き合わなくてはいけないのは当たり前のことでした。ただ近年は、多くのオンラインサービスが次々と誕生し、国際送金サービスの状況は大きく変わっています。その中でも、管理人自身も頻繁に利用し、強くお勧めできるサービスの一つが「Wise (ワイズ)」です。


Wiseとは

2011年英ロンドンにて創業。翌年に最初のサービスを始めて以来、「安さ (送金手数料と為替レート)」と「速さ」を売りに利用者を増やし、2016年には日本での認可を受け日本円/日本の銀行口座との国際送金のサービスも開始。2021年2月には名前を「TransferWise (トランスファー・ワイズ)」から「Wise (ワイズ)」へと改め、さらに2024年3月には日本において第一種の資金移動業の認可も受け、そのサービスを拡大しています。

「Wise」の最大の特徴は、いわゆる「ピア・ツー・ピア (P2P)」でのマッチングによって換金/送金サービスを実現しているという点。これは簡単に言ってしまうと、例えば (銀行振込の方法によって) 日本からカナダに送金をする場合、Wiseの内部的には...

  1. (利用者が) 送金したい額を、日本の銀行口座からWiseの日本支社の口座に振込
  2. (Wiseが) 受取確認
  3. Wiseのカナダ支社が (利用者の) カナダの銀行口座に相当額を送金

...という手順が行われているということ。これにより、「実質的には内部では為替取引は行われていない」ということになり、したがって、サービスとして格安の手数料と良い為替レート、さらにほぼ即日での送金が実現できるという仕組みになっています。

送金手数料は、日本円からカナダドルだと「送金額の0.69% + 固定額¥88」、カナダドルから日本円だと「送金額の0.61% + 固定額$5.21」(ともに2024年3月時点)。為替レートに関しては、ほぼリアルタイム値 (=ミッドマーケットレート)。これらは、同業各種サービスの中でも (特に為替レートに関しては) ほぼ敵無しのトップレベルのお得さとなっています。

アカウント作成

Wiseにて単純な「海外送金」サービスを利用するにあたっては、送金元の口座の所有者として、その口座がある金融機関がある国の住所情報とともに、アカウントを作成する必要があります。
つまり、
  • 「現在カナダに暮らしていて、カナダに住所があり、カナダの銀行に口座があり、そこから日本の銀行口座に送金したい」というニーズであれば、単純にそのカナダの銀行口座を所有するカナダ在住者として、アカウントを作ります。
  • 逆に、「日本からカナダに送金をしたい」というのが主なニーズなのであれば、日本の金融機関の口座の所有者として、日本の住所情報とともに、アカウントを作ります。
    (したがって、「現在カナダに暮らしているが、日本に住所があり、自分名義の銀行口座が日本にあり、自らオンライバンキングなどによって操作も可能」ということであれば問題はないのですが、そのような環境にない場合は、例えば日本在住の親族にアカウントを持ってもらうなどの方法が得策である場合もあります)
アカウント作成の細かな手順及び住所確認/承認の方法等は頻繁に変更/更新されている為、本項ではいわゆるチュートリアル的な解説は省きます。ただちなみに「カナダ在住でありながら、日本の住所と口座情報とともにアカウントを作る...」場合でも、住所確認/承認の手順において、マイナンバーが無くても (パスポート等の情報のみで) 問題なく正式にアカウントは作れる、という点は特筆しておきます。

送金方法/手順

日本からカナダへの送金に際しては、銀行振込またはデビットカードによる方法、カナダから日本への送金に際しては、Direct DebitOnline Bill Paymentデビット/クレジットカードBank Transferによる方法が利用可能です。

どの方法を選択するとしても、根本的な手順は...:
  1. アカウントにログインし、「送金する/Send Money」のページへ
  2. 送金金額と通貨を指定し、手数料等をすべて確認
  3. 送金先口座を指定/選択、及び送金目的情報を提供した後、「送信する/Submit」
  4. Wiseのローカル支社の口座情報を取得
  5. 送金元口座から、指定のWiseのローカル支社の口座へ入金
  6. 再びWiseのページ上にて、送金が完了した旨を報告
  7. 送金先口座への入金を確認
となります。

前述の通り、いわゆる「ピア・ツー・ピア (P2P)」によって換金/送金サービスが完了するという仕組みですので、Wiseのページ上で自動で全てが完結するのではなく、上記5番目の手順 (「自ら手動で送金先口座からWiseの口座へ入金をする」という手順) がどうしても必要になります。また同じ理由から、上記5番目の手順においては、Wiseとは別に、銀行による振込手数料等が個別に発生するという点も留意しておく必要があります。
ただ、手順は一見面倒なようにも感じますが、仕組みを理解した上で慣れてしまえば、特に気になるようなものではありません。また、銀行による振込手数料等に関しても、これはあくまで国内での手続き扱い (例えば、日本から銀行振込による送金で指定されるWiseの日本支社の口座は、PayPay銀行または三菱UFJ銀行の口座です) となるので、国際送金手数料等とは比べ物にならないほど微々たるものです。
6番目の手順を完了した後、Wise側は (Wiseの口座への) 入金を即時に確認します。(例えば銀行振込の方法であれば) これは早ければ数分、遅くても数時間という速さです。ただ、その後7番目の手順が完了するまでには、単純に時差等をふまえた銀行営業時間の関係もあり、(翌朝までの) 半日程度かかることもあります。

個人としてのアカウントで個人で行う換金/送金に関しては、一度につきそれぞれ日本円からの送金は 1,000,000円まで (2024年3月以降、第一種資金移動業認可に伴い段階的に制限額拡大中)、日本円での受け取りは 140,000,000円までという制限があります (2024年3月時点。送金方法によっては更に低い制限額)。



Wiseでは、サービスの拡大にともなっていわゆる単発の換金/送金のサービス以外にも、複数通貨の資金を保持できる「口座」(のようなもの) を開けられるサービスや、Wiseブランドのデビットカードといった機能を次々と追加しています。日本を始めその他の海外へ頻繁に渡航し、現地通貨での消費用に資金を持っておきたいといったニーズが有る場合には、サービスをしっかり吟味した上で、それらのサービスを利用するのもいいでしょう。

そういった別の機能を利用するか否かに関わらず、単純な海外送金サービス/日本-カナダ間の送金サービスにおいては、為替と手数料とスピードにおいて最安最速のツールの一つであるという状況はしばらくは続くことでしょう。

早速使ってみよう!という方は、ぜひ紹介リンクからどうぞ。