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カナダのクレジットカード: カードの選び方 1

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットカードの選び方

一枚目のクレジットカードは、仕組みも使い方もしっかり理解し日々上手に利用できている。毎月の返済もしっかり期日までに全額支払いができていて、やりくりも万全。
そんな中...
  • マイレージポイントなどの各種リワードプログラムを特典とするクレジットカードが気になってきたり...
  • ゴールドやプラチナなどといったカードのステータス/クラスに関して欲が出てきたり...
  • 頻繁に届く、「Pre-approved!」と謳われたカード会社からのダイレクトメールが気になったり...

    または
  • Secured card を使い続けてもう数年。そろそろ通常のクレジットカードに切り替えたい...
等々、様々な理由から二枚目以降のクレジットカードの取得を考えることもあるでしょう。

ここでは、新たなカードを選ぶ際にしっかりと理解しておく点を、次項では、複数のクレジットカードを所持するメリット/デメリット/注意点などについてまとめてみましょう。

カード選びのファクター

数々あるクレジットカードの中から自分にあったカードを選ぶのは大変...。いや、本当に大切なファクターを理解し、最も優先されるべき点だけに集中すれば、そこまで迷うほどのものではありません。

1. 利息 (Interest Rates)
月毎に請求額全額の支払いを行わずに、翌月以降に持ち越した請求額に対して適用される利息です。この利息の低さを売り文句としているカードを見かけることもあるでしょう。しかし前項ですでに示してあるとおり、毎月全額返済をしていれば、そもそもこの利息とは一切付き合う必要すらありません。翻って、毎月全額返済をすることを前提とすれば、この「利息」の高い/低いというファクターは、カード選びにおいて一切考慮に入れなくてよいということになります。

2. 会費/手数料 (Fees)
年毎に徴収される年会費 (Annual Fee) があるのが一般的ですが、カードの種類や特典の有無などによっては、それらが全く無料のカードもあります。固定費ですから、もちろん無料もしくは安いに越したことはありません。
また、会費とは別に、各種サービスに対して適用される手数料の有無とその料金も事前に確認するようにしましょう。例えば日本への帰国時など、海外でカードを利用した際に発生する外貨/両替手数料 (foreign currency fee / currency exchange fee) などの詳細も、事前にチェックしておくべきです。

3. 特典 (Reward Programs)
買い物ポイントやマイレージポイント、あるいはキャッシュバック特典、または付随する旅行保険の特典など、それらが宣伝文句となってカードの取得を促す広告は数限りなくあります。自分の趣味や仕事/生活スタイル、買い物動向などを鑑み、十分にメリットのある特典であるならば、それを選択の基準としても良いでしょう。ただし、より良い特典が含まれているほど、必然的に会費/手数料が高くなることもあるでしょう。各種特典の実質的な価値と、会費/手数料の実費とをしっかりと吟味し、「間違いなく得である」という結論に至った場合 (そしてもちろん毎月全額返済ができるという前提) にのみ、このファクターを重要視するようにしましょう。

4. ステータス/クラス
ある程度日々のやりくりに余裕が出てくると、ゴールドカード、プラチナカード、果てはブラックカードなど、所持していること自体がステータスとなる (と信じられている) 類のカードにアップグレードしたいという欲を持つこともあるでしょう。その発行を許されるためには、優良なクレジットヒストリーを維持していなくてはいけないので、所持すること自体が「信用があることの証明」になりえることに間違いはありません。
ただし、実質的かつ本来的な査定システムとして、そのカード保持者に「どれだけ信用があるか」は、後述するクレジットスコアを評価/参照することによって証明されます。したがって、ある程度のクラス以上のカードとなると、それらは残念ながら「カード保持者の『見栄』の要素を満たすことを主眼としたマーケティング戦略に基づくカード」であると言わざるをえません。
それらハイクラスのカードではもちろん付随する特典も多くなり、得をしていると感じられる機会も多いでしょう。ただその会費/手数料は、低いクラスのカードに比べて格段に高くなります。ここでも、まずは「見栄」の部分の思惑を一切考慮に入れず、「各種特典の実質的な価値と、会費/手数料の実費との比較」という点のみにおいてしっかりと吟味し、そのカードが本当に必要であるか、本当に得であるかを熟考するようにしましょう。

5. カードブランド
カードブランドの選択に関しては、単純に使い勝手を基準に判断することができます。
カナダにおいては「Visa」と「Mastercard」が2大巨頭として君臨し、クレジットカード支払いにおいてこの二つが使えない店はほぼ存在しません。
次に来るのが「American Express」。VisaとMastercardが使えるのにAmerican Expressは受け付けていないという機会は、都市部においてもたまに見かけることがあります。
その次はアメリカ系の「Discover」、または日本ブランドの「JCB」などが続きますが、ここまで来ると、支払いに使えるかどうかをいちいち気にしなくてはならないレベルとなるので、すでに実用的ではありません。
一枚目と二枚目のカードでVisaとMastercardをカバーするようにすれば、実質的に使い勝手で困ることはまずありません。

以上の5点をしっかりとおさえておけば、カード選びに関して大きく後悔することはないでしょう。