BAR


ラベル クレジットレポート の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル クレジットレポート の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

カナダでのクレジット: スコアの改善と維持

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットスコアの考察

自分のクレジットスコアをチェックした上で、まずそれが一般的なスコア指標の範囲において、どの辺りに位置するのかを確認しましょう。

EquifaxとTransUnionともに、スコアの範囲は300 (最低点) から900 (最高点) となっています。一般的に、650点がクレジット評価の分岐点とされ、カードやローンの申し込みで苦労する (審査に落ちる可能性がある) か否かは、650点を上回っているか否かが基準になると言われています。参照する資料により多少のばらつきはありますが、以下が一般的に言われる評価指標となります。

スコア評価
750点以上非常に良い
700~749点良い
650~699点まずまず
550~649点悪い
549点以下非常に悪い

自分のスコアがもし600点台もしくはそれ以下であるならば、積極的にスコアの改善に努めるべきです。また、スコアが700点台以上であるならば、そのスコアを維持するための努力を続けるべきである、ということになります。

スコアを左右する4つのカテゴリー

クレジットに関するほぼ全ての行動が、クレジットスコアの変動に影響を与えるファクターとなりえますが、その中でも特に気をつける/気にかけるべき項目が以下の4つとなります。
  1. 返済/支払い
    返済/支払いに関する行動およびその履歴は、クレジットスコアに最も影響を与えるファクターとして扱われます。すでに何度か触れているとおり、クレジットカードの支払いにおいては、「毎月必ず全額返済をする (「持ち越し」は絶対にしない)」というルールを確実に遂行し続けることが、確実にスコアに良い影響を与えるファクターとなります。ローン返済や携帯電話などの各種支払いにおいても、確実に返済を履行し続け、支払い遅延等を一切起こさないよう心がけることで、スコアへの悪影響を避けることができます。

  2. 限度額と借入額のバランス
    クレジットカードの利用限度額の範囲内で、実際に毎月どれだけの額を利用しているか (借金をしているか) という情報は、クレジットリスクを査定する立場においては非常に重要な項目となります。一般的に、実際の利用額 (借入額) は限度額の35%以下程度に抑えることが良いとされています。
    例えば利用限度額が$5,000の場合は、$1,750がその35%となります。ずいぶんと低い割合だと思われがちですが、例えば毎月限度額ギリギリまで借り入れている場合などは、査定する立場から見れば、それだけ「実資産でのやりくりに問題がある」または「万が一返済が滞った場合は、その借入額が大きい」と捉えることができ、結果的にスコアに悪影響を与えるファクターとなりえるというわけです。
    また、この項目は「毎月期日までに全額返済ができているか否か」は関係がありません。全額返済ができているとしても、限度額ギリギリまで借入をしているという事実そのもののみが、スコアに悪影響を与えるファクターとなりえるので、注意が必要です。

  3. クレジットの数と種類と継続期間
    借金の数と種類が複数にわたっていれば、単独単数の借金をしている場合に比べ、それだけ「借金返済能力が高い」とみなされ、スコアに良い影響を与えるファクターとなります。1枚より2枚のクレジットカードを保持している方が良い、クレジットカードだけでなく車や家のローンも抱えている方が良い、とされるのはこの為です。ただし、もちろんその全てにおいて返済が滞りなく遂行されていることが前提となります。
    借金の継続期間の長さも、スコアに良い影響を与えるファクターとなります。より長い期間借金を続け、より長い期間返済が滞りなく遂行できていれば、それだけ「借金返済能力が高い」という評価となるわけです。

  4. クレジットチェック/参照の頻度
    新たにクレジットカードを作成する際、あるいは新規のローンを申し込む際など、第三者があなたのその時点でのクレジット情報を評価しようと、クレジットビューローに対しクレジットレポートの回覧をリクエストします。この行動 (クレジットチェック) とその頻度はしっかりと記録され、スコアに影響を与えます。
    例えば短期間においてその頻度があまりに多い場合などは、「何らかの理由で早急に現金が必要な状況にある」または「借金の返済が自転車操業になっている可能性がある」とみなされ、結果的にクレジットリスクが高い環境にあると評価されることで、スコアに悪い影響を与えます。その様な評価を避けるために、例えば、必要以上に頻繁にクレジットカードの発行を申し込むことなどは避けられるべきです。

    注意:
    レポートの回覧リクエストにも種類があり、スコアに影響を与える類のクレジットチェックと、影響を与えない類のクレジットチェックとがあります。例えば自分のクレジットレポートを参照するために自分自身で回覧を申し込む場合などは、後者として扱われるため、スコアには一切影響を与えません。

まとめ

どちらのクレジットビューローにおいても、どのような計算でクレジットスコアが割り出され、どれだけの頻度でクレジットスコアが更新されるかは、明確には公開されていません。常に複数のファクターに左右されるがため、一朝一夕にスコアの変化は見られるのもではありませんが、上記の項目をしっかりと守って行動をしていれば、おのずと確実にクレジットスコアは上がっていきます。
ある程度の頻度で自分のスコアをチェックし続け、クレジットに関する自身の行動をしっかり管理し、結果的にしっかりと700点以上のスコアを常に維持できるように努力をしましょう。


カナダでのクレジット: レポート/スコアの取得

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットレポート / クレジットスコア

ある程度の頻度で自らクレジットレポートを手に入れ、クレジットスコアをチェックし、自身のクレジット/信用状態がどうなっているのかを理解しておくことは大事なことです。ここでは、二つのクレジットビューローから発行されるクレジットレポート/スコアを手に入れる方法と、その目的などについてまとめてみましょう。

無料のクレジットレポート

EquifaxとTransUnion、二つのクレジットビューローどちらにおいても、自身のクレジットレポートは無料で手に入れることができます。どちらにおいても「郵送/Faxまたは電話にて申し込みをし、郵送にて受け取る」形態のレポートのみが無料となります。オンラインでの即時発行/回覧の申し込みなどの場合は有料となります。

  • Equifax
    • 郵送/Fax:
      Equifaxのウェブサイト上、Personalのページ下部にある「Get my free credit report」のリンクからダウンロードできる申し込みフォームを、二つのIDのコピーとともに、指定の住所へ郵送、または指定番号へFaxすることで申し込み
    • 電話:
      専用番号 1-800-465-7166 に電話をし、個人承認の確認手順を踏んだ後、そのまま電話から申し込み
  • TransUnion
    • 郵送/Fax:
      TransUnionのウェブサイト上、Consumer Disclosureのページ下部にある「Download and complete form」セクション内、Consumer Requestのリンクからダウンロードできる申し込みフォームを、二つのIDのコピーとともに、指定の住所へ郵送、または指定番号へFaxすることで申し込み
    • 電話:
      専用番号 1-800-663-9980 に電話をし、個人承認の確認手順を踏んだ後、そのまま電話から申し込み
重要:
EquifaxとTransUnionはともに民間の営利企業です。無料で利用できるのは郵送にて受け取れる上記のクレジットレポートだけで、クレジットスコアの取得などを含むそれ以外のサービスはすべて有料になります。両社のウェブサイト上で、無料のクレジットレポートの申し込み手順に関する情報が比較的わかりづらく、なにかと有料サービスの購入ページへと促すようなデザインとなっているのはそのせいです。
両社が有料のサービスとして扱っている商品には、クレジットレポート/スコアの定期通知サービス、クレジットレポートに影響を与えるトランザクションの受け取りを監視/通知してくれるモニタリングサービスなどが含まれます。
銀行他のサービスの一環として取得
近年、多くの銀行において、オンラインバンキングサービスの一環として、自分のクレジットレポートとクレジットスコア (TransUnion発行) をいつでも無料で回覧することができるサービスが広まっています。自分が利用している銀行のオンラインバンキング上にて、クレジットスコア/レポートが容易に回覧できる環境にあるのであれば、主にそれらを通して情報を取得するのもひとつの手でしょう。

取得の機会と頻度

もし過去に一度も自分のクレジットスコアを回覧したことがないというのであれば、有料の商品を利用する方法も含め、まずは自分のスコアを一度取得することをお勧めします。それまでの自分の消費行動や支払いに関する行動の基準が、スコアの評価基準と照らし合わせて著しくずれているようなことがあれば問題です。予想外に低いスコアが提示された場合などは、その原因をしっかりと理解し改善する必要があります。

有料の商品の中には、レポート/スコアを毎週/毎月通知してくれるようなサービスもありますが、そこまで頻繁に熟知する必要はありません。一般的に、最低でも一年に一回、または半年に一回程度のチェックが推奨されています。近い未来に住宅購入/引越し/その他ローンの申し込みなどの予定があり、第三者からのクレジットレポート/スコアの回覧要求が予想される場合など、それに先立って数ヶ月前に自らのスコアをチェックしておくというのもよいでしょう。

次項では、スコアを上げる方法、または高いスコアを維持するために理解しておくべき点などについてまとめてみましょう。


カナダでのクレジット: クレジットレポート/クレジットスコア

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットレポート/クレジットスコアとは

健全なクレジットヒストリーを構築することを意識しながら、クレジットカードをはじめとする各種支払いを確実に遂行する。それもこれも、最終的にはその情報を回覧される機会に備えて、良い状態を保ち続けることが目的です。そして、その回覧される機会において作成され、あなたの信用度の指標となるのが、「クレジットレポート」または「クレジットスコア」となるわけです。
まずは、クレジットレポートとクレジットスコアに関する基礎をまとめみましょう。

クレジットレポートとは、あなたのクレジットヒストリーがまとめらたレポートで、ローンを組む際 (借金を申し込む際)、賃貸契約を結ぼうとする際、または携帯電話契約を結ぼうとする際など、数々の機会において貸し手側の求めに応じて作成され、回覧されます。
クレジットスコアとは、クレジットレポートの情報を元に、任意の時点でのあなたの「信用度」を3桁の数値で表したもので、300から900の間で推移し、高ければ高いほど良いとされます。つまり貸し手側にとっては、数値が高ければ高いほど「借金返済能力がより高い借り手 = 返済が滞るリスクがより低い借り手 = 信用度がより高い借り手」となるわけです。

クレジット管理機関 (Credit Bureau)

クレジットレポートの作成とクレジットスコアの計算は、クレジットビューロー (Credit Bureau) と呼ばれる民間の機関で行われ、カナダにおいては、
  • Equifax
  • TransUnion
という二つの機関が管理を行っています。
クレジットに関するあなたの行動は、銀行をはじめとするいわゆる貸し主 (Creditor) 側にすべて記録されています。クレジットビューローはそれらの情報を集計/評価することで、その時点でのあなたのクレジットレポートとクレジットスコアの作成を行う、という仕組みとなるわけです。

クレジットレポートに含まれる情報

クレジットレポートには、以下に示すような情報が含まれます。つまり実質的には、クレジット管理機関は、あなたの信用状態を表す要素として、以下に示すような情報を「収集し、回覧要求者に対して開示する権利を持っている」と言えるわけです。

個人を特定する情報として:
  • あなたの氏名と生年月日
  • 現住所と過去の住所
  • 現電話番号と過去の電話番号
  • SIN番号 (Social Insurance Number)
  • 免許書番号
  • パスポート番号
  • 現在と過去の就業先/雇用先の情報
信用評価に関わる情報として:
  • 各種口座開設の履歴
  • 残高不足や不正などの理由による各種口座閉鎖の履歴の有無
  • 各種口座のにおける残高不足の履歴
  • 所持するクレジットの有無と種類 (クレジットカード、ローン等々)
  • 期日内支払いの履歴
  • クレジット限度額超過の履歴
  • 過去3年における、クレジットレポート回覧要求の履歴
  • 破産履歴の有無

クレジットスコアの計算

両クレジットビューローにおいても、クレジットスコアの細かな計算の方法など公開されていません。ただし、以下のような項目が確実に計算式のファクターとなっていることは知られています。
  • 借金の金額
  • 借金の種類
  • 借金をしている期間の長さ
  • 借金を申し込んだ回数と頻度
  • 借金の支払いが滞ったことがあるか、またはその頻度
  • クレジットカードにおいて、持ち越し額があるか否か
  • クレジット利用限度額にどれだけ近い額まで借金をしているか
  • 破産履歴の有無



簡単に言ってしまえば、クレジットカードに関する行動に限らず、銀行及びその他の金融機関、または携帯電話会社などを含めたリース業など、それらとの間で行われたトランザクション (取り引き、事務処理、財務処理) は、そのすべてがあなたの信用を評価する要素として記録されている、と理解する必要があります。

次項では、自身のクレジットレポート及びクレジットスコアの回覧方法と、高いクレジットスコアを保つための方法などをまとめてみましょう。


カナダのクレジットカード: カードの選び方 2

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

複数のクレジットカードを所持する

カード審査をパスするに十分なクレジットヒストリーも維持できていて、カードを選ぶ基準も理解できている。では基準に合うものであれば、何枚でもカードを作ってもよいものなのでしょうか。
ここでは、複数のクレジットカードを持つ際の注意点などをまとめてみましょう。

そもそも複数のクレジットカードを持つべきか

すでに繰り返しているように、クレジットカードとは、良いクレジットヒストリーを構築するためのツールです。「『適度に』借金をしてしっかりと返す」という行為を、複数のカードにおいてもしっかりと管理し実行できるのであれば、複数のカードを所持するメリットはあります。後述するクレジットスコアの査定においては、ひとつよりも複数の別の借金をしている方が、スコアは良くなります。

では、全く利用をしない、つまり借金もせず返済もしないカードを所持することに意味はあるのでしょうか。これは、クレジットスコアの査定方法により一概には言えない場合がありますが、一般的に、全く利用をしないカードを所持していることそのものの事実によって、クレジットスコアに直接悪い影響を与えることはありません。ただし、カード会社のポリシーによって、例えばある一定期間利用がないと自動的にカードがキャンセルさせられてしまうこともあります。その場合、「カードのキャンセル」という出来事は、クレジットスコアに悪い影響を与えます。年会費が無料であるならまだしも、年会費を払っていながらも全く利用をしないカードを持つメリットはほとんどありません。

つまり、複数のカードにおいて「『適度に』借金をしてしっかりと返す」という行為を管理し実行するということは
  • まず複数のカードを所持し、
  • それらすべてのカードにおいてしっかりと日々の買い物に利用し、
  • そしてすべてのカードにおいてしっかりと返済締め切り日までに請求額全額を支払う
という行為を継続して実行し続ける、ということを意味します。それらをしっかりと実行できるのであれば、複数のクレジットカードを所持する意味も、そしてメリットもあります。
たとえば買い物の種類によってカードを使い分けるなど、上手なやりくりをしつつ複数のカードを使い続け (支払い続け) ることを心がけましょう。

では何枚持つのが正解か

こればっかりは、個々の家計や消費行動によって違うとしか言いようがないので、確固とした正解の数というものはありません。ただ、4~5枚以上ぐらいになってくると、そもそも支払いスケジュールの管理だけでも大変になるばかりではなく、それらすべてを日々の買い物に「うまく」利用するというのも、あまり現実的ではなくなってくるのではないでしょうか。
あえて推奨するならば、最低で1枚、推奨2枚、最高でも3枚まで前項のカード選びのファクターを参考に、自分にあったカードを、例えば、Visaで1枚、Mastercardで1枚、必要であればAmerican Expressで1枚取得するなどというのもよい選択ではないでしょうか。それらをしっかりやりくりできていれば、健全なクレジットヒストリーはしっかりと構築されていきます。


カナダのクレジットカード: カードの選び方 1

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットカードの選び方

一枚目のクレジットカードは、仕組みも使い方もしっかり理解し日々上手に利用できている。毎月の返済もしっかり期日までに全額支払いができていて、やりくりも万全。
そんな中...
  • マイレージポイントなどの各種リワードプログラムを特典とするクレジットカードが気になってきたり...
  • ゴールドやプラチナなどといったカードのステータス/クラスに関して欲が出てきたり...
  • 頻繁に届く、「Pre-approved!」と謳われたカード会社からのダイレクトメールが気になったり...

    または
  • Secured card を使い続けてもう数年。そろそろ通常のクレジットカードに切り替えたい...
等々、様々な理由から二枚目以降のクレジットカードの取得を考えることもあるでしょう。

ここでは、新たなカードを選ぶ際にしっかりと理解しておく点を、次項では、複数のクレジットカードを所持するメリット/デメリット/注意点などについてまとめてみましょう。

カード選びのファクター

数々あるクレジットカードの中から自分にあったカードを選ぶのは大変...。いや、本当に大切なファクターを理解し、最も優先されるべき点だけに集中すれば、そこまで迷うほどのものではありません。

1. 利息 (Interest Rates)
月毎に請求額全額の支払いを行わなかった際に、その残高他に適用される利息です。この利息の低さを売り文句としているカードを見かけることもあるでしょう。しかし前項ですでに示してあるとおり、毎月全額返済をしていれば、そもそもこの利息とは一切付き合う必要すらありません。翻って、毎月全額返済をすることを前提とすれば、この「利息」の高い/低いというファクターは、カード選びにおいて一切考慮に入れなくてよいということになります。

2. 会費/手数料 (Fees)
年毎に徴収される年会費 (Annual Fee) があるのが一般的ですが、カードの種類や特典の有無などによっては、それらが全く無料のカードもあります。固定費ですから、もちろん無料もしくは安いに越したことはありません。
また、会費とは別に、各種サービスに対して適用される手数料の有無とその料金も事前に確認するようにしましょう。例えば日本への帰国時など、海外でカードを利用した際に発生する外貨/両替手数料 (foreign currency fee / currency exchange fee) などの詳細も、事前にチェックしておくべきです。

3. 特典 (Reward Programs)
買い物ポイントやマイレージポイント、あるいはキャッシュバック特典、または付随する旅行保険の特典など、それらが宣伝文句となってカードの取得を促す広告は数限りなくあります。自分の趣味や仕事/生活スタイル、買い物動向などを鑑み、十分にメリットのある特典であるならば、それを選択の基準としても良いでしょう。ただし、より良い特典が含まれているほど、必然的に会費/手数料が高くなることもあるでしょう。各種特典の実質的な価値と、会費/手数料の実費とをしっかりと吟味し、「間違いなく得である」という結論に至った場合 (そしてもちろん毎月全額返済ができるという前提) にのみ、このファクターを重要視するようにしましょう。

4. ステータス/クラス
ある程度日々のやりくりに余裕が出てくると、ゴールドカード、プラチナカード、果てはブラックカードなど、所持していること自体がステータスとなる (と信じられている) 類のカードにアップグレードしたいという欲を持つこともあるでしょう。その発行を許されるためには、優良なクレジットヒストリーを維持していなくてはいけないので、所持すること自体が「信用があることの証明」になりえることに間違いはありません。
ただし、実質的かつ本来的な査定システムとして、そのカード保持者に「どれだけ信用があるか」は、後述するクレジットスコアを評価/参照することによって証明されます。したがって、ある程度のクラス以上のカードとなると、それらは残念ながら「カード保持者の『見栄』の要素を満たすことを主眼としたマーケティング戦略に基づくカード」であると言わざるをえません。
それらハイクラスのカードではもちろん付随する特典も多くなり、得をしていると感じられる機会も多いでしょう。ただその会費/手数料は、低いクラスのカードに比べて格段に高くなります。ここでも、まずは「見栄」の部分の思惑を一切考慮に入れず、「各種特典の実質的な価値と、会費/手数料の実費との比較」という点のみにおいてしっかりと吟味し、そのカードが本当に必要であるか、本当に得であるかを熟考するようにしましょう。

5. カードブランド
カードブランドの選択に関しては、単純に使い勝手を基準に判断することができます。
カナダにおいては「Visa」と「Mastercard」が2大巨頭として君臨し、クレジットカード支払いにおいてこの二つが使えない店はほぼ存在しません。
次に来るのが「American Express」。VisaとMastercardが使えるのにAmerican Expressは受け付けていないという機会は、都市部においてもたまに見かけることがあります。
その次はアメリカ系の「Discover」、または日本ブランドの「JCB」などが続きますが、ここまで来ると、支払いに使えるかどうかをいちいち気にしなくてはならないレベルとなるので、すでに実用的ではありません。
一枚目と二枚目のカードでVisaとMastercardをカバーするようにすれば、実質的に使い勝手で困ることはまずありません。

以上の5点をしっかりとおさえておけば、カード選びに関して大きく後悔することはないでしょう。


カナダのクレジットカード: 支払い/引き落とし

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットカードの支払い

「最低支払い額」など、日本ではあまり馴染みのないルールが組み込まれているカナダ (またはアメリカ) のクレジットカードの支払い (返済) の仕組み。ここで今一度まとめてみましょう。

支払いサイクル

クレジットカードの利用と決済は、ひと月毎のサイクルです (Billing Cycle)。ひと月の間に発生したすべてのカード利用分が、ひとつの利用明細書 (Statement) の中で支払い請求額 (Statement Balance) としてまとめられ、そのひと月分に対する支払いの締め切り日 (Payment Due Date) が設定されています。
ただし多くの場合、ひと月と言っても、単純な月初め (1日) ~月終わり (30日/31日) のサイクルとはならず、銀行によって、あるいはカードによってその開始日/締め日 (Statement Date) は異なります。したがって、月毎の支払いの締め切り日も、銀行によって、あるいはカードによって異なります。
あるカードの例:
  • ひと月毎のサイクル (Billing Cycle): 今月21日~翌月20日。
  • 利用明細書発効日 (Statement Date): 翌月20日
  • 支払い締め切り日 (Payment Due Date): 翌々月10日
つまりこの場合は、例えば、
  • 1月21日から2月20日までの一ヶ月に利用した分が、
  • 2月20日付け発行の利用明細書にまとめられ、
  • その支払い締め切り日が3月10日
となります。

注意: それぞれの設定日が土日や祝祭日と重なる場合は、特に事前の通知などはなく、前平日や翌平日の日付にずらされます。
利用明細書発効日から支払い締め切り日までの間 (例: 2月20日から3月10日までの間) は「Grace Period」と呼ばれ、通常20日から25日程度に設定されています。この期間の間、つまり支払い締め切り日までに支払い請求額全額を支払えば、利息は一切発生しません。

支払い方法

月毎に利用明細書が郵便で届き、支払いの締め切り日までに支払い額分のCheque (小切手) を郵送で送り返すことで支払いをする...、という旧式の方法もいまだ有効ではありますが、オンラインバンキングが主流となった現在、支払いの作業もすべてオンラインバンキング上で行うのが一般的です。

自分が口座を有する銀行発行のクレジットカードであれば、その銀行のオンラインバンキングのサイト上で、他のChequing口座やSavings口座と同列でクレジットカードの項目があるはずです。銀行によって作業の細かな違いはあれど、基本的に、Chequing口座やSavings口座からクレジットカードの項目に資金を移動 (Transfer) させることで、それがそのまま支払い/返済作業 (=引き落とし) となります。
月々の支払いに際し、どれだけの金額 (例えば、「最低支払い額」や「請求額全額」または任意の金額) を、いつ支払うか (例えば、「明細書発効日」や「支払い締切り日」) を、自動で設定できる機能 (=自動引き落とし) があるのが一般的です。万が一支払いを忘れてしまうリスクなどを鑑みると、この自動引き落とし機能はぜひ利用するべきです。そしてもちろん、ひと月毎に支払い締切り日までに「請求額全額」を支払うように設定することが理想です。

自分の口座を有する銀行以外の金融機関発行のクレジットカードに対して支払いをする場合は、それぞれ細かなやり方は異なります。一般的には、それぞれの金融機関のサイト上で自分が口座を有する銀行を指定し登録し、その金融機関と銀行との間で直接資金のやり取りができる環境を整え、月毎に支払い金の転送 (Transfer) を実行することで、支払いが行われます。

最低支払い額

前項でも示したとおり、カナダのクレジットカードの月々の支払いは、実際の支払い額を自分でコントロールできるリボルビング払い。利用明細書の中で示されている「最低支払い額 (Minimum Payment)」だけを支払えば、請求額残高そのものは単純に次の月の支払いに持ち越しすることが出来ます。最低支払い額はカードそのものに対して設定されるので、基本的には常に一定です (あるいは利用合計額に比例してわずかに変動する)。したがって、新たな月においてどんなに利用額が多くても、再び最低支払い額だけを払ってその他すべての残高を翌月に持ち越すこともできます。

ただしそのようにして請求額全額を支払わなかった場合は (たとえそれが$1だけ足りなかった場合だったとしても)、「Grace Period」内に全額支払いが出来なかったとみなされ、その時点から遡って前月の利用額に対してまで利息が発生します。翌月の明細書に示される請求額は、

前月の未払い分残高 + (前月の日毎残高の月平均額 x ひと月分の利率) + 該当月の新規利用額 + (該当月の日毎残高の月平均額 x ひと月分の利率) = 合計請求額

となります。そしてこの利息計算は、以降ひとつの月において「合計請求額を全額支払う」ことが達成されるまで続きます。
このようにして「全額を支払う」ことを先延ばしにしていけば、当然のごとく新規の請求額残高と持ち越し分への利息がさらに雪だるま式に加算され、めでたくカード返済地獄の始まりとなるわけです。

まとめ

クレジットカードの利用と支払いにおいて、最も大切なポイントですので何度でも繰り返します。

毎月必ず全額返済をする (「持ち越し」は絶対にしない)

とにかくこれを最優先事項として守りましょう。

(例えば日本への渡航費など) 比較的大きな買い物をクレジットカードで行った場合など、一括での全額返済が難しいこともあるでしょう。ただしその場合でも、Savings口座から資金を切り崩してでも、ひと月のサイクル内で一括全額返済をすることが最優先されるべきです。
クレジットカードは、健全なクレジットヒストリーを積み重ね、クレジット (信用) を構築するためのツールであるという点に常に立ち返り、それに基づいた支払い/返済行動をとるよう心がけましょう。


カナダのクレジットカード: カード利用の基礎

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットカードとの付き合い方

クレジットカードを無事に手に入れ、クレジットヒストリーを積み重ねるのためのツールが手に入りました。これでオンラインショッピングで買い物もできるし、その時点でのChequing口座の残高を気にせずに買い物もできてしまうようになりました。さぁこれが、「カード返済地獄の始まり」となるか、「健全なクレジットの構築の始まり」となるかは、あなた次第です (笑)。
パーソナルファイナンスの視点から言えば、クレジットの構築を意識する以前に、まずは健全な家計を維持するために、最優先で守られるべきいくつかのルールがあります。しっかりとその仕組みを理解し、カードと上手に付き合える術を身に着けましょう。

利用限度額

カードには必ず「利用限度額 (Credit Limit)」が設定されています。Secured cardの場合は比較的低い額が設定されているかもしれませんが、それ以外のカードでは、自分が普段の買い物で使うような額と比べてずいぶんと大きな額が設定されていることでしょう。これを「このカードで出来る買い物の最高額」という捉え方をしてしまっている場合は要注意です。この額は、銀行による審査の結果導き出された「あなたが返済する能力があるであろう『借金』の限界額」であるという意識をしっかりと持ちましょう。

最低支払い額

カードの支払いは月に一度。ひと月のサイクルの中で利用した額の合計が、新たな支払い額として請求されます。しかし、カナダのクレジットカードの月々の支払いは、実際の支払い額を自分でコントロールできるリボルビング払い。利用限度額と比べるととてつもなく低い「最低支払い額 (Minimum Payment)」が設定されていて、最低でもその額だけを支払っていれば、ペナルティもなく次の月の支払いに持ち越しすることが出来ます。
これを、カード利用のメリットだと捉えてしまっている場合は要注意です。「持ち越し = 雪だるま式の支払い額の増加」だという理解をしっかりと持ちましょう。

利息

最低支払い額だけを支払って「持ち越し」をした場合、その影響は単純な次月の支払い額の増加だけには留まりません。持ち越した分の請求額には当然利息が生じます。カードの支払い額の持ち越し分への利率 (Interest Rate) は大体 (年率) 20%前後、またはどんなに低くても15%以上が一般的です。この利息がどれだけトンデモなく高いものなのかということが感覚として想像できていない場合は要注意です。「持ち越し支払い額 x 利率% / 365日」で、一日毎に発生する追加支払い額を導き出してみましょう。

キャッシング

買い物によるカード利用に加えて、クレジットカードによって利用できるもうひとつのサービスに、「キャッシング (Cash Advances)」があります。クレジットカードをABM (ATM) にて使用し、まるで口座から「引き出す」かのような感覚で即時に現金を手に入れることが出来ます。もちろん実際は「引き出し」を行なっているわけではなく、単純に直接即時に借金をして現金を手にしているということを意味します。キャッシングで借りた額に対する利率は、通常の買い物利用の支払い額持ち越し分にかかる利率より、さらに3%から5%ほど高いのが一般的です。さらにキャッシングの場合は、ひと月の支払いサイクルとは全く関係なく、キャッシングをして現金を得た瞬間から利息が発生します。


以上のような基礎中の基礎を理解した上で、クレジットカードを使用する上で必ず守られるべきルールは以下の通り。
  • 毎月必ず全額返済をする (「持ち越し」は絶対にしない)
  • キャッシングは絶対に利用しない
ただただ、これだけのことです。

まとめ

クレジットカードとは、あくまで、「買い物した額を後にまとめて払うために、一時的に『借金』をすることができるツール」であるという強い理解が必要です。 それ以外の意味における「借金」、つまり、持ち越し分にかかる利息分、あるいはキャッシングそのものとキャッシング額にかかる利息分、それらはそもそも一切発生すらさせるべきではありません。毎月しっかりと全額支払いをすることを最優先事項と設定し、しっかりと実行をしていれば、高い利息と付き合う必要もなく、カード返済地獄などという状況に陥ることも絶対にありません。
そうして毎月しっかりと「借金をして、しっかりと返す」という実績を重ね続けることで、健全なクレジットヒストリーを構築することができるのです。


カナダのクレジットカード: カードの作り方

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットカード

カナダで生活する上で、クレジットカードはとても便利なものです。日々の買い物ではDebitカード (Interac) を主に使っているという場合でも、時にはInteracを受け付けていない店舗やサービスに出くわすこともあるでしょう。また、インターネット上での買い物をする場合などは、クレジットカードの方がメインの支払い方法となっていることがほとんどです。したがって、ただ「便利だから」と言う意味においてクレジットカードを所持したいと思うのもひとつの理由でしょう。
しかし、ことパーソナルファイナンスにおいては、前項でも示したとおり、
「クレジット」カードは「クレジット (=信用)」を構築するためのツール
であるという捉え方をしっかりと理解する必要があります。その上で、クレジットカードは生活必需品以上の意味を持つツールであり、必ず所持するべきものとして捉えられる必要があります。

ただし、これも前項で示したとおり、新たにカナダで生活を始めた人が、最初のクレジットカードを取得するのは簡単ではありません。日本でどれだけ安定した収入を得ていたとしても、どれだけの資産を保持していたとしても、あるいは日本のクレジットカードをいくつ所持していたとしても、カナダにおけるクレジットヒストリーはゼロからのスタートです。したがって、そもそもクレジットカードを作るに足るだけの信用が無い状態であり、正攻法で新規クレジットカードの申請を行ったところで、多くの場合審査に通らず拒否されてしまいます。

最初のクレジットカードを作る方法

ではどうすればカナダで最初のクレジットカードを作ることができるのか。おそらく最も成功の可能性の高い方法として、以下の二つの方法があります。

Newcomers/New Immigrants向け商品の利用
移民を積極的に受け入れているカナダにおいては、最初のクレジットカード取得に関する悩み、またはその需要というのはとても一般的なものです。したがって、各銀行もその需要に応えるための商品やパッケージをふんだんに用意しています。カナダ6大銀行のほとんどは、いわゆる「Newcomers / New Immigrants to Canada (カナダに新たに移民/引越ししてきた人)」向けと銘打って、時には特典などとともにChequingやSavings口座の新規開設を勧めるパッケージを用意しています。さらに同類のパッケージ商品において、比較的甘い審査や比較的ハードルの低い条件で最初のクレジットカードを作らせてくれる場合があります。たとえば特定のChequing口座を新たにつくることであったり、あるいは給与振込みの口座として指定することであったりと、その条件は様々です。銀行側としては、新たな顧客を獲得するメリットと、クレジットリスクとを天秤にかけながら商品のデザインをしているわけです。
それらの条件が自分の状況や需要と合致していて、それらを満たすことで最初のクレジットカードを作らせてくれるのであれば、これを利用しない手はありません。

Secured Cardの利用
Secured card (セキュアカード) とは、まとまったお金を事前に担保として預けることを条件に、(多くの場合) その担保額=最大利用額として設定した上で発行されるクレジットカードです。最初に担保を預けることで、銀行側としては、もし支払いが滞ったとしても最悪その担保から徴収をすればよいということになり、銀行側にとって安全 (secured) であるという意味で、「secured」cardと分類されます。担保の形態や最低額は様々で、たとえばある程度の額でのGIC (定期預金) 口座を開くことで、それを担保として兼用してsecured cardを発行してもらうことも可能です。銀行にとってはより低いリスクとなるため、必然的にその条件のハードルも低くなり、いわゆる正規のクレジットカード (「unsecured」card) に比べて、格段にその審査は甘くなります。
ちなみに、secured cardとして発行されたカードでも、分類上はれっきとしたクレジットカードです。使い方や月々の支払い形態などは、正規のクレジットカードとまったく同じです。
ワーキングホリデーの場合
ワーキングホリデーでカナダに滞在している場合、新規に正規のクレジットカードを取得することは非常に難しいと言えるでしょう。「最長で一年間しか滞在しない」という条件が、銀行側からの「新規顧客としての魅力とリスク」という指標でどう評価されるか、という点を鑑みてみれば、その理由がわかると思います。将来的にビザの切り替えなどで長期滞在の予定を描いているとしても、少なくともワーキングホリデー期間の間は、残念ながらクレジットリスクの高い申請者だと評価され、審査を通ることは難しくなってしまいます。したがって、事実上secured cardのみがほぼ唯一の望みとなります。

とにかく最初のカードを作る

前述のとおり、(最初の) クレジットカードを作る最大の目的は、「クレジット (=信用)」を構築するためのツールを得ること、という点に他なりません。
クレジットカード選びにも様々なファクターがあり、カード会社の種類や、利率、リワードプログラムなどの特典や、その他様々なオプションなど、選り好みしていたらキリがありません。しかし、こと最初のカードに関して言えば、それらはほぼ気にしなくてよい、と言うより、選り好みできるほどの選択肢はないと言うのが現実でしょう。クレジットカードの選び方や使い方のポイントについては次項以降で触れますが、ここではまず、口座を持つ銀行が提供しているクレジットカード関連の商品や情報を吟味し、必要であればアポイントメントとってしっかりと相談をしながら、銀行発行の「最初のカードを作ること」を成し遂げることだけに集中しましょう。
最初のカードを作り、しっかりと毎月使い続けることで、ゆっくりと、しかし確実にクレジットヒストリーを構築していきましょう。


カナダでのクレジット: はじめに

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

クレジットとは

パーソナルファイナンスにおいては、「信用」と訳されるべき「クレジット」というコンセプトは、長期的に、または車や家などの大きな買い物をする際などに大きく影響を与えるとても大事な項目であり、その仕組みや付き合い方をしっかりと理解しておくべきものです。
単純に、オンラインで買い物をするのに便利だからとクレジットカードに申し込み、何気なく日々の買い物に利用し、月々の返済に追われながらもしっかり全額支払ったり、または先延ばししたり...。時には、キャッシュバック特典やマイレージなどの各種ポイント特典などにつられて、用途をあまり深く考えずに新たなカードを複数作ってしまったり...。そのような行動のすべてが、「クレジットヒストリー」という形で記録され、「クレジットスコア」として評価されているという仕組みを、しっかりと日々意識しながらやりくりができているでしょうか。

「クレジット (信用)」が与える影響

ここで言う「信用」とは、突き詰めて言ってしまえば「借金返済能力」ということになります。何か大きな買い物をするために借金 (ローン) を申し込む際には、その「信用度」が審査され、その度合いが低ければ、最悪借金の申し込みは拒否されます。あるいは審査を通ったとしても、信用度が高いケースに比べ高い利率で少ない金額しか借りられないということが起こります。信用度が低いとは、「借金返済能力」が低い、つまり貸し手側にとって「返済が滞るリスクの高い借り手」だと判断されるわけです。

「信用度」の影響は、ローンの申し込みの際だけに限りません。たとえば就職活動の際、雇用主側が志望者の人となりを知ろうと、(志望者の許可を得た上で) 志望者のクレジットに関する情報を参照することもあります。あまりに悪い信用度となれば、それを間接的な理由として採用が見送られることもあるでしょう。あるいはアパートの賃貸契約において、大家側は、クレジット情報をもとに、申請者が毎月しっかりと家賃を納められる能力のある借り手であるかを判断します。複数の借り手候補がいるとしたら、信用度の高い借り手を選んで貸したいと思うのは当然です。もっと身近な例では、携帯電話の契約。「本体料金0円!」「初期費用0円!」などの魅力的な文句につられて申し込んでみたものの、クレジット情報を参照された結果、最悪契約拒否、あるいは想定外の初期費用の支払いを求められたなどというのはよくある話です。

このように、クレジット情報をもとにした「信用度」は、パーソナルファイナンスに関わる多くの項目に対して影響を与えます。それだけに、健全な「クレジット (信用)」を構築し、それを維持するための仕組みと方法を理解することは、とても大事なことなのです。

健全な「クレジット (信用)」の構築と維持

では、高い「信用度」を得るにはどうしたらよいのでしょう。根本的な答えはいたって簡単です。「借金をして、しっかりと返す (返し続ける)」という実績を、数多く長期に渡って積み重ねればよいのです。「クレジット」と聞いてまず思い浮かべるのは、おそらく「クレジットカード」だと思います。クレジットカードで買い物をし、月に一度支払いをするという行為は、「借金をし、後日返済する」という行為に他なりません。この行為をしっかりと堅実に滞りなく果たし続けることによって、クレジットの信用度は確実に上がります。

しかしながら、おそらく読者の多くの方がそうであるように、新たにカナダで生活を始めたというような環境においては、ことはそれほど単純ではありません。たとえば移住したてホヤホヤの方には、カナダにおける「クレジットヒストリー」というものが一切存在しません。したがって、「信用」そのものどころか、「信用」を推し量る指標であるデータそのものがまず存在しないわけです。したがって、信用を構築するためにクレジットカードを作ろうと試みても、そのための審査そのものを通過することができず、カードは作れません。信用を得ようと借金をしたくても、信用がないために借金をすることすらできないという、堂々巡りの、ある意味「矛盾」した状態に陥ってしまうわけです。

ではどうしたら良いのか。次項以降では、まずはクレジットカードの基礎、最初のカードの取得の方法や、カードの使い方や選び方の注意点などについてまとめてみましょう。