Annuityとは
Annuityとは、リタイア後のために貯蓄/運用してきたまとまった資金を、リタイア後の収入として活用するために利用される商品です。また、「Annuity」は、RRIF (Registered Retirement Income Fund) の様な「制度」ではなく、あくまで一般名詞としての「年金 (個人年金保険)」を意味する言葉で、各種金融機関や保険会社が提供する商品の種類の名称であると理解しましょう。リタイアをすると決めた時点で、まとまった資金 (例えばRRSP資金) でAnnuityを「購入」し、その資金を元に商品のルールにしたがって、保証された決まった額を決まった期間あるいは生涯に渡って「収入」として受け取り続けることが出来ます。
金融機関や保険会社では複数のタイプや種類のAnnuity商品が用意されていて、その中から自分にあったものを選択することが出来ます。「商品」であるが故に、各商品の内部の細かなルール等はトレンドやニーズによって移り変わりがあるとも言えるので、本項ではあくまでAnnuityの大まかな仕組みと考え方を説明することのみに留めます。
Annuityの額
Annuityを購入するにあたってまず最初に考慮することは、その予算 (金額)。購入に当てられた資金が、自分がその後受け取り続ける収入の根本的な元本額になるわけですから、当然ながらその受け取り額を左右する最大の要素となります。RRSP資金を使ったリタイアメントというシナリオにおいては、RRSP資金の残高を最大額として、そこからいくらをAnnuityの購入に当てるかということを考慮することになります。Annuityの購入は多くの場合一括支払いで行われますが、商品によっては、複数回に渡る支払いによる購入をすることも出来ます。
Annuityの期間
次に考慮されるべき大きな要素は、収入の受け取りの期間に関するもの。大きく分けて2つの選択があります。- Life Annuity
- Term-certain Annuity
後者は、受け取り期間を指定して、その間だけ受け取りが保証されるタイプのAnnuity (例: 5年、10年、20年..)。
Life Annuityの利点は..自分が想定するリタイア後の収入プランに合ったAnnuityの期間/種類を選択します。不利な点は..
- 一生涯受け取りが保証される
- つまり、どれだけ長生きしたとしても、亡くなるまで受け取りが保証され続ける
- 商品によっては、自分が亡くなった後に配偶者が受け取りを続けられるオプションも付けられる ..等々
対して、
- 購入資金分を受け取り切る前に、早く亡くなることもある
- 配偶者が受け取る等のオプションを付ければつけるだけ、受け取り額は減る ..等々
Term-certain Annuityの利点は..不利な点は..
- 指定した期間内の受け取りが保証される
- 期間終了前に自分が亡くなった場合、配偶者等に対して期間終了まで受け取りが続けられる ..等々
- 指定した期間より長生きすれば、指定した期間後は受け取りがない状態となる ..等々
その他の要素
購入資金 (元本) の額と、期間が選択された上で、それ以降に受け取り額を左右する要素には以下のようなものがあります- 性別
- 年齢と健康状態
- 亡くなった後の、配偶者等への受け取りオプションの有無
- 想定運用利回り
- 商品を提供する金融機関/保険会社そのもの
大まかなルールとしては以上の通り。
前項で示した、リタイアメント後の収入に関して考慮すべき以下の4点をAnnuityに当てはめた考えた場合、いくつかの点は単純化することが出来ます。
- 十分な生活資金となる額を、
- 節税をしながら、
- 資金が尽きないように、
- 自分がいつ亡くなるかはわからないという条件の中で..やりくりする
ただし改めて、Annuityは結局のところ「保険商品」です。RRIFに比べて不利になる点や不自由となる点を受け入れる代わりに、「生涯 (または一定期間) に渡って収入が尽きない様にするための 安心を買う」為の商品であるということを、常に念頭に置く様にしましょう。