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カナダの税金: タックス計算の基礎 1

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

タックスリターンでいくら戻ってくる?

「タックスリターンでは、一般的にどれくらいの金額が戻ってくるのですか?」とは、タックスファイリングに関して最もよく聞かれる質問のひとつですが、こればっかりは「個々の事情により違う」としか答えようがありません。総所得額に始まり、家族構成、出費の種類や形態、控除やクレジットの有無などにより、それこそ数千ドル単位でリファンド額は変動します。もしどこかのアドバイザーやコンサルタントから「ワーホリならば大体$○○○ぐらい、独身サラリーマンなら$○○○ぐらい..」といったハナシを聞いたということであっても、それはあくまで究極の一般論を述べているにすぎません。

では「なぜ」個々の事情により違うのか? という点をより良く理解するために、タックス計算 (所得税計算) の基本をまとめてみましょう。

タックス計算の概要

幾分簡素化されてはいますが、タックス計算手順として大まかに理解されるべき流れは、以下のようになります。
総所得額 - ②控除額 = ③課税対象所得額

③課税対象所得額 x ④所得税率 = ⑤税額

⑤税額 - ⑥Taxクレジット = ⑦確定税額

⑦確定税額 - ⑧支払い済み税額 = ⑨タックスリファンド or 追加徴収


(⑦確定税額より⑧支払い済み税額が多ければ、その分が⑨タックスリファンドとして還付され、逆に⑧支払い済み税額が⑦確定税額に達していなければ、⑨追加徴収となります)
上記すべての項目の額は、個々の環境により違いますので、当然最終的なタックスリファンドまたは追加徴収の額も一般化できるものではありません。

パーソナルファイナンスの観点から見た場合、ここでポイントとなるのは、赤字で書かれた項目が、すべて自分自身でコントロールできる (= 節税のために努力できる = タックスリファンド額を増やすために努力できる) 項目であるということです。

総所得額を低く抑え、②控除額を多くすればするほど、③課税対象所得額が少なくなり、それを元に計算される⑤税額が少なくなります。そこからより多くの⑥Taxクレジットを申告することで、⑦確定税額をできる限り低く抑え、⑧支払い済み税額との差を最大限広げ、⑨タックスリファンドの額を最大限多くする、という仕組みとなるわけです。

次項では、上記各項目について個別に説明していきましょう。